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2018スピ再技研10

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十番手、最後の発表はおおさわさん、
「テレスコ2」
「ジャンクウーハー使用の2Wayバッフル」
「音場型バッフル」

お題が3つありますが、テレスコ2はエンクロージャーで、後の二つはそれに取り付けるアタッチメントバッフルです。

テレスコ2は容量可変エンクロージャー。
2つの箱を組み合わせて、スライドさせることにより、容量変更を行います。
箱同士の隙間はスリットダクトとして活用。
計算上は容量変化によるダクト共振周波数は変わらないとのこと。
なるほど、うまくできています。

これにまずは2Wayバッフルを取り付けます。
2Wayって言ってますが、バッフルに取り付けられているのはジャンクウーハーのみで、
ツィーターは何とバッフル前面の端子からブラブラとぶら下がっています。

音出しです。
むちゃくちゃブーミーです。
なんじゃこれはというレベルです。

が、箱を伸ばして容量を増やすと、あれ?マシになりました。
いや、かなりいい。

驚愕の変化です。
容量はたかだか1.5倍程の変化しかありませんが、どうしてこんなに聴感で変わるのでしょうか?
不思議です。

後半は音場型バッフルに換装!
ヒドラ型、この会ではASURAII型と言うべきかな。
高さの異なる塩ビ管の4本の柱に四方を向いたフルレンジが取り付けられています。

塩ビ管円柱は下部が解放され、テレスコ2につながっています。

音出しです。

サーっと後方に広い音場が現れます。
ああ、この感じはASURAIIを彷彿させます。
ただ、ASURAII程のリアル感は届きません。

このシステムの優れたところは、ユニット向きが自在に変えられることです。
塩ビ管なので、クルクル回せばどの向きにもユニットを向けられます。

松さんのASURAIIは各ユニット上面に反射板も設置して音場をさらにコントロールしていましたが、こちらはありません。
いろいろな差はユニットのせいなのか、反射板のせいなのか、サブウーハーがないせいなのかは分かりません。

見た目に違わずこれは面白い!
塩ビ管と組み合わせたところが白眉です。

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2018スピ再技研9

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九番手、愛知県から参加の河辺倉司さん、
「SIDBR18W」

SIDBRとはシールド インナー ドーム バスレフの頭文字のようです。
ユニットはタンバンの平面振動板。

スピーカー造りとはいったいなんだろう?
そんな哲学的な問いをこのスピーカーは私たちに問いかけてきます。

2018スピ再技研8

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八番手、穐山宗司さん、
「バッフルの振動を減衰させた多空気室バスレフシステム」(改善フィードバック)

ナラ材のバッフルが美しい機体です。
ダクト穴も全てルーター加工され、今回のオフ会で1.2位を争う仕上げレベルです。

2週間前のオフ会からの改良版です。
第1気室の穴を塞ぐだけなのに、わざわざ裏板を作り直しています。
手間のかけ方もすごい。
私だったらボロ切れを突っ込んで終わりにしてたかも…

ユニットはMark Audio Alpair6P。
お高いユニットです。

内部は4つの気室に別れていて、第4気室で2.3気室を連結。外部につながるダクトは2.3.4気室から計3本です。
隔壁も含めフローティングで連結させるという凝った構造です。

さて、音出しです。

全体的には軽い音です。
中音は滑らかでフルレンジ特有の荒れが少なく感じます。

低音は伸びはあるものの薄い印象です。
低音の音圧が少ないのにダンピングの悪さを感じます。

前回はオルガンは苦しかったものの、とても締まったドライな低音だったので、今回のゆるい低音はかなりの変化です。

別の曲ではベース音が電子音のようにも聴こえてしまったのですが、それはもともと電子音だったのかもしれません。

また、前回は付帯音の少ないナチュラルな中高音でしたが、今回は妙なクセが気になりました。
例えが悪くて申し訳ないのですが、AMラジオっぽいというか、拡声器っぽいというべきか…

勝手な想像ですが、第1気室の容量が少なすぎるのではないでしょうか?
資料の縦断面図では、ユニットから遠い気室ほど容積が大きくなっています。
躯体のコンパクトさから見ても、全体的にもう少し大きい方が良さそうに感じます。
前回は第1気室の外部ダクトから音圧漏れはあったものの、ユニット背圧も少なかったので、かえって振動板の動きが良かったのかもしれません。

あと、なぜかピアノの残響音に金属っぽい響きが乗ってきます。
ひょっとしたらソースかもしれませんが、それも少し気になりました。

今回、完調ではなかったのかもしれません。
小さめのユニットならエンクロージャーの性能を引き出せたかもしれません。


2018スピ再技研7

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七番手、我らが鈴木茂会長、
「音楽之友社スピーカーユニットの最初期型 MCAP-CR 方式によるシステム」
会長が午後の部に発表とは珍しいです。

お題の通り、最初期型の多自由度バスレフであるMCAP-CRに、
Pioneer OMP-600
ScanSpeak 10F/8422-03
Mark Audio OM-MF5
の3機種を取り付けての試聴です。

バッフルを次々に交換して鳴らす…訳ではありません。
何と、全く同じ機体を3セット作ってあって、全ユニットが取り付けられてあります。
しかもステレオで。
つまり6本もある。

ただでさえ複雑なMCAP-CRを6本も作るなんて…

まずはパイオニア、
お次はスキャンスピーク、
最後にマークオーディオ。
全く同じ音源を流していただきました。

ううむ、ええと…
思った通りでした。
低音の出方は3つでさほどの違いはなく、ユニットのキャラがそのままスピーカーの違いとなって現れています。

細かいことを言うと、パイオニアは6.5cmなので、低音の厚みでは若干見劣りします。
スキャンとマークは低域は変わらず。
パイオニアに特化した設計であれば、もっと低音は出たでしょう。

キャラで言うと、
明るく騒がしい、だけど細かい音も再生するパイオニア。
おっとり大人しめで、上品なスキャンスピーク。
中高音の反応がよく、堅くカリカリのマークオーディオ。

この機体はフワッとした音場感があり、それとイメージが合うスキャンスピークが、私のイチオシです。

次点がパイオニア。
活発かつ繊細な表現は魅力的ですが、低音の厚みがもう少し欲しかったところです。
ただ、この会場は前に座ると、当たり前ですが高音がキツく出ます。
後ろの方の席での試聴なら違った評価になったかもしれません。

鈴木会長、お疲れ様でした。


2018スピ再技研6

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六番手は加藤剛さん、
「Mark Audio "OM-MF5" vs "CHR-70"の視聴感の差」

ボイド菅の達人、加藤さんの登場です。
多自由度バスレフで、開口ダクトは3つ開いています。

二本の柱の一方にユニットがあり、もう一方は副気室のみです。
ユニット側の主気室は約10リットル。
穴の開いた柱は3つの気室に別れていて、5:3:2の容量差を設けています。
開口部のダクトは100Hzから35Hzを等分に分けたチューニングとのことです。

さて、音出しです。
定番の重低音再生です。
30Hzでも音が出ていますが、腹に響くフィーリングは乏しいかな。
ジャズのウッドベースは階調もしっかり出て、しかも目の前で演奏しているような臨場感がありますが、もう少し音圧が欲しいところです。

さらにいいのがピアノ。
妙に生々しい感じを受けました。

ダクト変更もして再び聴かせていただきましたが、
35Hzはダクト音圧も少なく、チューニングをもう少し上げた方がいいのではと感じました。

後半はMark Audio CHR-70 というクルマみたいな名前のユニットに換装しました。
OM-MF5よりは繊細かなあ、ぐらいの印象で劇的な変化は感じられませんでした。ごめんなさい。
でも見た目はこちらの方がいいですね。

最後は10ccの「ノット イン ラヴ」
好きな曲だったので、もう少しゆっくりと聴きたかったな。
私の中では、なぜか霧の中の山岳ドライブっいうイメージの曲です。
もっとこう、息苦しいような圧迫感がより強く出ると良かったかな。

まだ仕上げもチューニングもこれからなので、完成が楽しみな機体です。




2018スピ再技研5

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午後のスタートは海老澤さん、
機体名は不明です。

銀色の塗装で合体ロボットの趣があります。
ユニットはMark Audio "OM-MF5"

ダクトは底面に開いていて、ベースに付いた反射板で全周に低音を広げます。

低音の出がすごい。
チェロ(コントラバス?)のゴリゴリ感までしっかり出ています。
下の伸びばかりでなく、派手でやや聴き疲れする中高音に負けない低音音圧です。
その低音も締まりと歯切れがよく、全音域に渡ってハイスピードなキャラを形作っています。
しかも、不思議なくらいパワーが入ります。

いやはや驚きました。
8cmユニットでここまでワイドレンジなスピーカーができるのですね。

低音の出に気を取られますが、ボーカルも明瞭かつ美しく奏でます。
音質だけでなく音楽にも没頭できるという二面性を見事に両立させています。

9月と今回、2回の発表会で、
多数のOM-MF5使用例と遭遇しましたが、このタイプの試聴は初めてです。

拡散ベースでなく、底面を持ち上げただけのベースに換装しての試聴も行われました。
軽い感じに変わったので低音が少なくなったようです。
また、アタック音が弱くなったような気もします。
ただ何だろう、こちらの方がワサワサした中高音の細かい音の出が良くなって、リアル感が少し増しているのような変化を感じました。

今回のStereo誌コンテスト、
音質に関する入賞ハードルが一気に上がったと実感しました。


2018スピ再技研4

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午前、最後の発表は私、ケイ、
「3段MDF」

ユニットはStereo誌付録のFostex P1000。
それをトリプルバスレフの箱に入れています。

「再生ソフトはCD-Rに焼いてきなさい。
絶対にだ!」

そんな指令を前々日にスピーカー再生技術研究会から受け取って、初めて音楽CDをCD-Rに焼いて持参いたしました。

後から執行部にそのことを伺うと、
「命令じゃなくて、そうした方がいいよって意味だよ」
そう軽く諭されました。
まあ、でもCD-Rに焼くと楽ですね〜。

3年間、このユニットでいろいろ試した結論としては、
スピーカーエンクロージャーが木でできているのには意味がある。
という至極真っ当なことでした。

思った以上に上手く鳴ってくれて満足いたしました。
お褒めの言葉やアドバイスもいろいろいただき、ありがたいかぎりです。
ソフトは物議を醸し出しておりましたが…

そのソフトですが、無理やり聴いていただいた最後の曲「プラネテス(のテーマ)」は、
9月24日のプレオフ会で会長からいただいたお題、
「自分のお葬式に何の曲を流すか?」
の答えになります。

ご清聴ありがとうございました。

2018スピ再技研3

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三番手は若手のホープ高橋優文さん、
「アンプの音は電源の音?」

アンプ電源の種類によって音が変わるか、という意欲的な実験です。

アンプはデジタルアンプ
Lepy LP-2024A+
電源は2種類、
スイッチングACアダプタ
安定化電源(自作)
標準はACアダプタで、安定化電源に交換して良く鳴るかがポイントです。

スピーカーは適当に見繕ってきたと言っていましたが、なんのなんの凝った造りです。

ユニットはfostex FE83-Sol。
メーカーのバスレフ標準箱をベースに再設計したものです。
2本のダクトには縦に柱があり、よく見るとスパイラルダクトになってます。
側板は角度がつけらけており、上から見ると天板は台形になっています。
高橋さんはこういったテーパー加工が本当に得意です。
塗装は茶のカシュー。

音出しです。
スピーカーはイメージ通りの優等生です。

アンプ試聴なので、低音、音場、トランジェントに注意しながら聴きます。
Solはこういうチェックに向いていますね。

安定化電源はACアダプタと比べ、帯域の重心が下がったようにゆったりと聴こえます。
音の立ち上がりがよく、アタックが強い。
そして、音場は狭く、なぜかエコー成分が気になります。エコーは録音由来なのか電気的遅延なのかは判別できませんでした。
スーパーツィーターを逆相接続したみたいな感じです。

確かに音は変わります。
当初思っていたより変わりますが、圧倒的な違いはないように思います。

私は安定化電源の方が好きでした。


2018スピ再技研2

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続いて二番手は千葉の石田隆さん、
「FIRチャンデバによるマルチアンプ駆動」

表題を聞いても何を言っているのか理解できません。
もちろん、私の理解力が足りないせいです。

周波数による位相の回転をチャンネルデバイダでユニットごとに補正をかけるとどう鳴るか?
ということのようです。
補正の前に当然ながらユニットの位相特性を正確に測定しないといけないので、それだけですごく手間がかかってるそうです。

位相回転って気にしたことがありません。
目にする機会は、エンクロージャー設計支援ソフトでの「位相特性」グラフぐらいです。
低周波領域やクロス領域ではそれが乱れているのが分かります。
が、だからと言ってどうすればいいのかも分からない特性の一つでした。

それがチャンネルデバイダで補正ができて、聴き比べができるという、又とないチャンスです。

持参スピーカーは対向駆動の丸いウーハーにリングツィーターの2Wayです。
何と折りたたみ式。
失礼ながら、仕上げはかなり雑です。

補正なしのIRから音出しです。

素晴らしい!

とにかくワイドレンジで大きなパワーが入ります。
2Wayらしく艶やかで低歪なのがよく分かります。中域の荒れが微塵もなく、音色のつながりも見事です。
ソースを美しく再生する、情緒的なタイプのようです。
低音の締まりと量感のバランスが絶妙で、足りないのは重低音だけです。
ちょっと低音がビビるけど…
もう、オーディオはこれで完結でいいんじゃないかというレベルです。

雑とか言ってすみません。
雑ですけど…

さて、今度は補正アリのFIR。
あ、何か違う。

何度か切り替えて違いを探ります。

補正アリの方が、情報量が多い感じです。
中高域のワサワサした感じがリアル感を高めています。
微妙にアタック感も補正アリの方が強く感じます。過渡特性がいいのかも。

音場感はかなり違って聴こえ、補正アリの方が前に定位し、ボーカルはさらに前に出ます。
音場は前に出ますが、スピーカーにまとわりつくようなものではなく、音離れはいい感じです。

逆に補正なしは奥に音場が広がり、ボーカルは雑味がなくスッキリした感じがします。

個人的な好みで言うと、音質は補正アリが良く、音場は補正ナシがいいです。

いつも思うのですが、スピーカーってその個人の特長がすごく出ます。
石田さんは、スピーカー制御の達人で、滑らかで歪みの少ない音を出すマルチ使いです。
そこから出るサウンドはまさに石田(隆)サウンド。
とても追いつけない高みだと実感いたします。
いいものを聴かせていただきました。


2018スピ再技研1

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毎年恒例のスピーカー再生技術研究会オフ会 が
なかのゼロで10/7(日)にて行われました。
9/24(月)に続いて第2弾。
こっちが本番という位置づけです。たぶん。

一番手はアイネケンさんこと秋葉武弘さん、
「タンデム&バックロードホーンシステム」

スリムな躯体にPARC Audioの赤パークミニことDCU-F102Wがかなり上部に取り付けられています。
開口部が後ろにあるバックロードですが、赤パークミニの背面にfostex FE-126Enがセットされていて、タンデム駆動となっています。

9mm厚のシナベニヤの木口に木ネジを打ち込んでの組み立てで、木工技術の高さをうかがわせます。
側板に音道の投影図が描かれていて、バックロードの内部構造がよく分かります。
かなり長めの音道ですが、開口部の小ささから、カットオフ周波数は高め、広がり係数は低めと推察します。

天板上にはドームツィーター。
クロスが26.5kHz!
何と超音波でクロスです。
音圧差が8dBもあるからいいのかな?
でも下はタンデムだし音圧が合うのかな?
どうなるか楽しみです。

ところで、この機体には個人的にすっごく興味があります。
実は私も赤パークミニを購入したのですが、
何をやっても上手く鳴らすことができず、試行錯誤の末、現在、死蔵しております。
当時、コイズミ無線でのデモにも行き、何種類かの箱で視聴しましたが、上手くは鳴っていませんでした。
ですから、どうすれば上手く鳴るのか知りたいのです。

私自身の失敗の数々は拙ブログの「赤パークミニ」の項目をご覧ください。

あ、ちなみにこのユニットの愛称はないもようです。
「赤パーク」と言えば同社の10cmのDCU-F122Wを指します。
こっちのユニットは8cmなので違うものです。
以前、社長に「愛称は何でしょう?」と訊いた時の返事が「赤パークミニ」「ちびっ子赤パーク」だったのですが、
8cmのコレは、現在、会社HPでもなかったことにされています。
不遇のDCU-F102Wを当ブログでは「赤パークミニ」といたします。

さて、注目の音出しです。
最初は小田和正。
滑らかなボーカル再生で、サ行のキツさが上手く抑えられています。
ある意味レイヤーウッドコーンらしい鳴り方です。
ツィーターの効きも違和感なく、カーペンターズのサックスが美しく、スッキリとした高域の伸びが感じられます。

低域は下までかなり伸びているようなのですが、音圧が少し寂しく、ベース階調が聴きづらいソフトもありました。

エンヤはもう少し重厚感が欲しいところです。

気になったのは、中央定位がかなり甘いことです。
エンヤはともかく、小田和正も山下達郎も立ち位置がはっきりとは分かりませんでした。
会場でのケーブルの接続ミスを疑いましたが、目視では問題なしです。
個人的にはタンデム部が怪しいと思うのですが…

また、残念なことに、ユニット由来のビビリ音のせいて、音量が上げられなかったことです。

非常に興味のあるユニット、形式なのですが、会場では実力を発揮できなかったのが残念です。

完調状態で再び聴きたいスピーカーでした。
その時は是非ともタンデム部の接続を、「標準」「オフ」「短絡」等試して欲しいなと思いました。

ちょいとチェック

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今回、イラストではなく写真です。
上が「OM-MF5 生形バスレフ」
下が「P1000 3段MDF」になります。

音を判定するのにいろいろなソースを皆さんお使いかと思います。
私も時々思い出したように、微小入力反応を確認してみることがあります。

チェック音源はビートルズの名曲
「The Long And Winding Road」

これをチェック曲に使っている方はあまりいらっしゃらないと思います。
私にはバックのオーケストラが妙にダイナミックレンジを圧縮していて、録音が悪いように聴こえます。

最後の盛り上がりの部分、
「Don't keep me waiting here ---」
の後に少し間があるのですが、そこにポールっぽい声で短い歌声が入っているのです。

この曲を随分と長い間聴いてきていましたが、
この歌声に気付いたのはつい7年ほど前です。
リスニング環境を一変させた時に聴こえてきて、その時はびっくりしました。
ところが、その時のアンプが壊れてしまい、
違うアンプと自作SPではうまく再生できないのです。

で、生形バスレフはボーカル域の解像力と分解能が高いので、ひょっとして聴こえるかなと試してみることにしました。

アンプはKenwood A-M70
結果、何か言っているのはかすかに聴こえます。
聞こえますが、フレーズまでは分からない。

安物アンプで駆動しているから難しいだろうなとは思っていましたが、聴こえたとは大したものです。

同じことをP1000を使った「3段MDF」では聴き取りが難しい。
ただ、こちらも試してみて、かすかには聴こえることが分かりました。

マークオーディオ OM-MF5
侮れない実力があるように思います。





生形バスレフF特

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生形バスレフのF特を測ってみました。
上の図が測定図で、下はマークオーディオが発表しているF特です。

ウソこきました。
昨日の試聴で、10kHzにピークがあるように聴こえると書きましたが、10kHzは思いっきりディップで、あえてピークと言えるのは9kHzでしょうか。

ざっくり雑な表現をすると、中音のレベルが低く、100Hz以下はだだ下がりの特性です。
120Hzのピークは双方よく似た特性図になっています。
このピークのおかげで、ちょうどジャズのウッドベースの音圧が高いことになります。
100Hz以下はほめられた音圧ではありません。スネアドラムの再生が苦しいのは試聴と一致します。

ちなみに50Hzのピークは部屋の定在波の影響と思われます。

うっかり、ポートの低音特性を測り忘れてしまいましたが、fゼロ以下のレベルが急減しているので、
バスレフはあまり効いていないもようです。

発表図との違いは、やはり10kHz付近です。
このディップはすごい。
全く真逆です。
だからトライアングルが聴きづらかったのかな。
何でこんな特性になるんだろ。

全体的にはピークの値はよくそろっているように見えます。

このOM-MF5は非常にクセがない音に感じます。
突出した音質の特徴もなく、ソースの音をできる限り忠実に再生しようとしています。
情緒的な緩慢さがなく、ちょっと冷徹な印象です。

生形バスレフはそのユニット特性を最大限生かしたエンクロージャーではないでしょうか。


PS
吸音材は足すのではなく、配置を変えました。
天板裏だけだったのを半分千切って、裏板裏に貼り付けました。プラシーボ効果以外はなさそうですけど。

OM-MF5は逆ロールの深めのエッジです。ロングストロークのための構造かもしれません。で、表面にエッジの出っ張りがないので、グリル作りが楽でした。

さらにエージングでよくなっているような気がします。低音のアタックが反応してきた、ような気がしないでもないことはないか??











生形バスレフ、完成

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生形バスレフが完成しました。

仕上げは水性スプレーでつや消し黒。
自作のユニットガードグリルをピカピカのステンレスブラスボルトで共締しました。
振動板のシルバーと合っていて、私ご満悦。

さあ、音出しです。
この瞬間が一番楽しい。

小型バスレフなので、中高音のエネルギーが大きく、やたらハイ上がりに聴こえます。
低音音圧が相対的に低いようで、エレキのベースラインも階調がはっきりしません。

やっぱり1.5リットル程度のバスレフではこんなもんなのかな。

と、かなりガッカリ状態だったのですが、
エージングが進むと俄然低音が出てきました。

エージングってオーディオオカルトの一つだと思っていましたが、具体的に効果があったとは認識を変えないとダメですね。
ゆるいダンパーのはずなのに何でエージングが必要なんだろ?

取り付けネジを途中で増し締めすると、さらにいい。

改めて、かなりのパワーを入れて聴き直します。
エレキ、ウッドベースはまずまずで、、今度は階調も分かります。
しかしながらスネアドラムの量感はさすがに苦しい。
ただ、生形さんが量感より分解能重視でわざわざスリットバスレフにしたと言っていましので、狙い通りかと。
歯切れのいい低音です。
アンプ側のブーストが有効なタイプです。

テスト曲の小田和正では、中高域のストリングスの分解能が抜群です。
ハープ、ギター、エレキギター、ピアノ等の似たようなストリングスの残響音再現も素晴らしく、それぞれの違いがよく分かります。

15kHz付近をわざと持ち上げたとマークさんが言っていましたが、感覚的にはピークは10kHz当たりに聴こえます。
小田さんはトライアングルを楽曲に多用するのですが、よく聴こえてこない。

このユニットは高域エネルギーは高いけれど、伸びはイマイチなのではないでしょうか。
それでもフルレンジとしては優秀な方でしょう。

OM-MF5は1kHzと2kHzの間に段差があります。
フルレンジ特有の分割振動の暴れですが、
ボーカルに影響するので、多分ここがフルレンジユニット設計のキモだと思います。
原理上避けることはできません。

OM-MF5はこの段差が4dB以内で優秀、とはマークさんのお言葉です。
実際は小音量時は非常にスッキリしたボーカルで、ビートルズの「アデイインザライフ」のモゴモゴしたポールのボーカルもスッキリ再生していて、さすがと感じました。

パワーを入れてもボーカル分解能の高さは変わりませんが、サ行のキツさが目立ちます。
ううむ、ちょっと聴き疲れするかも。
細い化繊を吸音材として入れましたが、
増やした方がよさそうです。
でも、そうすると低音が痩せそうだし、悩むなあ。

経験では、200Hz付近の音圧を下げると、
だいたいボーカルはスッキリするものなので、
中低音の厚みとどう両立させるかが問題になると思っています。
このスッキリボーカルがユニットの実力なのか、
それとも単に低音が出ないことによってなのかで評価がガラッと変わってきそうです。

音のレスポンスは音域間のバラツキもなく中程度で、これは聴きやすい特性です。
ダンプドバスレフの効果かな。

定位はもちろん良好です。
特にボーカルの中央定位は抜群です。
たた、音離れがイマイチ良くない気もします。
音場がスピーカーに張り付いている感覚です。

能率はfostex P1000との比較ではOM-MF5の方が劣ります。
ただ、パワーを入れてもやばい感じがしません。
かなりの大パワーに耐えられそうです。
パラメーターでは8W(Nom)ですが、マークさんは15Wまで処理できるように設計されている言っていることに偽りはなさそうです。
まあ、予兆なしに壊れる可能性もありますが。

雰囲気はモニタースピーカーっぽい立ち位置です。
パワーが入って、カチッとして、締まりがあり、残響音もソースをしっかり再生してくれます。
ロングストローク設計だから、ゆるい音かと心配していましたが、杞憂でした。
ただ、モニターとしてなら、中音のわずかな荒れが惜しい!

箱とユニット、合わせて1万円のスピーカーとなります。
1万円かぁ。
どういう層がこのセットを買うのでしょう?

ただ音楽を聴きたい人には高いし、
スピーカーマニアはそもそも買わないか、買っても低音再生に不満が出ます。
コンパクトなCDアンプには、最初からスピーカーが付いているし…

生形バスレフの長所は高分解能。
それゆえの小型エンクロージャー。
この良さって伝わりにくい。
それってオーディオに興味がない人にはとことん興味が出ない分野なんだよなあ。



キットすごい

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生形バスレフの組み立てに入りました。
組み立て本では、速乾性の木工ボンドの方がいい、なんて書いてありましたが、
通常タイプにしておいてよかったと思いました。

このキット、プレ加工が素晴らしくよくできてます。
側板と天板、底板は45°カットされて、組み上がると木口が全く見えなくなります。
スリットバスレフの開口部の組み合わせは惚れ惚れする美しさです。
プレカット加工技術に脱帽です。

内部補強は徹底されており、この小さな箱一つに補強板が5本も使われています。
しかも位置がズレないように補強板用にわざわざザグリが入っています。
ザクリはバッフルと裏板にも施されていて、気密性と強度は十分です。

あまりにザグリの精度が高いので、一気に組み立てないとダメっぽいです。
つまり、一度の接着作業で側板、バッフル、裏板、補強板の全てをくっつけないとダメなのです。
はみ出した接着剤がザグリで固まったら、もう後からは取り付け不能です。
それぐらいのピッタリさです。

細かいことを言うと、バスレフのスリットだけは直角が担保できれば、事前にバッフルに取り付けできますが。

で、一気に組みましたが、すごくタイヘン。
ベルトクランプの緊縛の美を行う過程終了までに大体20分。
すげー段取り組んだつもりでもこの時間。
気温の高い季節がら、速乾性のボンドだったらヤバかったかも。


緊縛を解き 叩いて分かる 高剛性
(字余り)





基本だよね

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生形バスレフのユニット取り付けは、
フツーの木ネジです。
ユニットを自在に取り外ししたいので、
鬼目ナットをバッフル裏に打ち込むことにしました。

バッフルにはすでに木ネジ用の下穴が開けてあります。
推定φ2.0mm
ユニットを当てて穴位置を確認すると、
この下穴が中央に来ません。
どうやらユニットの端子板が悪さをしているようです。

しばし考えて、現物合わせで鬼目ナットの下穴を開けることにしました。
が、結構ムズい。
もともとの下穴がジャマをして狙った位置にドリル刃がなかなかきませんでした。

で、鬼目ナットを打ち込むのですが、
バッフル裏面には補強板を取り付ける座繰りがあって、ビミョーに干渉。
干渉するけど、補強板を差し込んでみると、ギリOKでした。

結果オーライ。

これで、下準備完了です。

穴をふさぐ

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生形バスレフキットは非常に丁寧に作られていて、
裏板のターミナル端子も取り付け易くなっています。
ドリルはおろかキリさえも使わずに済むように下穴が開けてあります。

ところが、付属の端子はバネで線をはさむタイプで、バナナプラグは取り付けられないものでした。

ここはやはりバナナプラグ用のターミナルでいきたい。

そんな訳で、わざわざ開けてくれた穴をふさいでから、バナナプラグを取り付けます。
非常に正確に開けられた穴なので、
3Dプリンタで作った部材がぴったりでした。

このキットは、組み立てた後は裏板を外さない構造なので、事前にバナナプラグ用のターミナルも取り付けておく必要があります。

ん?

あれ?
バナナプラグ用でも後から取り付けできるな。
ま、いっか。
もう付けちゃいました。

段取り9割

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そろそろマジメに始めましょう。
コンテスト用バックロードに取りかかる前に、
間違って買ってしまったオントモムック箱からやっつけましょう。

どうやら箱の正式名は
生形モデル ダンプドバスレフ型エンクロージュア•キット

な、なげえ!
名前長すぎ!
それにエンクロージュアって?
ジュア?

そこは型番でいこうよ。
RX-78とかMS-06とか…

しょうがないので、「生形バスレフ」って呼ぶことにしました。

「スピーカー作りは段取りが9割」
という格言があるように、組み立ての前に勝負があらかた決まっています。

で、まずは木工ボンドを立てる台を作りました。
あの、黄色の木工ボンドのフタの外周には6本の溝があります。
その溝にぴったりはまるように丸い台座に棒を立ててました。
こういう作業は3Dプリンタが得意。
設計からプリントアウトまで1時間ぐらいで終わりました。

はめると、ドンピシャ。
一発で決まるって珍しい。
さい先いいな。

今日はここまで。


秘密兵器登場

2018082308263704d.jpg


みなさんはエンクロージャーの接着をどうしてますか?
わたくし、ニガテなものが多いのですが、この接着は特にニガテです。
ハタガネは持っているのですが、使ったことがありません。
もとい、使えたことがありません。
締めているうちに他のが外れてくるし、思った位置につけられないとか、当て木が落っこちたりとか、モタモタしているうちに接着剤が乾いてきたり…

そんな訳で、ハタガネはまともに使えた試しがありません。

しかたがないので、
常に側板で挟み込む板取りにして、オモリを乗っけて対応するから、小さいスピーカーばかり作るようになってました。

そんな日々とも、もうオサラバ。
「ベルトクランプ」なるものを買いました。
2個で3,000円ぐらいだったかな。

ベルトの張力で矩形の4隅を締めこみます。
最後の締めこみはネジになっているグリップを回転させて調整するようです。

実際に使おうとして動作をチェックすると、
4隅の抑え部材の表面処理がザツ。
エンクロージャーに凹み必至の凸凹がありました。
ヤスリで丁寧に削って準備完了。

よーし、待ってろよ!



プロットしてみた

20180814120213da6.jpg


方眼紙に具体的に描いてみました。
音道幅が20cmで高さ75cm、奥行70cmとなりました。
板厚はスタイロフォームの40mm。
広がり定数m=1.5

通常、広がり定数は1.0以下にするもののようですが、音道長とホーン開口面積のバランスを考えると、どうしても広がり定数が大きくなってしまいます。

問題はホーンをドライブできるのかにかかっています。

参考にしたのは、Stereo誌でP800を使ったコンテストで審査員特別賞を受賞した作品です。



20111101060834db2.jpg


当時のブログによると、
P800で音道長2.7m、開口面積は約0.8m2。
推定の広がり定数は2.1となります。

で、ちゃんとドライブできていたのかというと、
ちょっと苦しい。
ボアボアした低音でした。
ただ、音圧は十分で、チューニングでなんとかなるなという印象を持ちました。

で、私の図だと、音道長は2.2mで広がり定数が1.5。

P800のホーン作品よりはドライブに余裕があります。
とはいうものの、苦しいのは事実で、
ユニットのポテンシャルに頼る設計になりそうです。

初期のイメージよりは小型になりそうなので、
なんとなく作れるような気がしてきました。



できる?

20180812092705174.jpg


コンテスト作品は何一つ進んでいません。
バックロードホーンで開口面積を稼ぐには、
折り返しが一度では長さがどうしても足りません。

2回折り返すと開口部は背面、
というところからスタート。

スタイロフォームなので凸曲面は得意だけど凹面は苦手。
てなことを考えながら、コンビネーションホーン。

8の字を描く音道が変態的です。
絵を描くだけで大変なのに、こんなの作れるのかな。

次は具体的な音道サイズの割り出しになります。
なんだか音道が「乙」に見えてきました。

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