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ちょいとチェック

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今回、イラストではなく写真です。
上が「OM-MF5 生形バスレフ」
下が「P1000 3段MDF」になります。

音を判定するのにいろいろなソースを皆さんお使いかと思います。
私も時々思い出したように、微小入力反応を確認してみることがあります。

チェック音源はビートルズの名曲
「The Long And Winding Road」

これをチェック曲に使っている方はあまりいらっしゃらないと思います。
私にはバックのオーケストラが妙にダイナミックレンジを圧縮していて、録音が悪いように聴こえます。

最後の盛り上がりの部分、
「Don't keep me waiting here ---」
の後に少し間があるのですが、そこにポールっぽい声で短い歌声が入っているのです。

この曲を随分と長い間聴いてきていましたが、
この歌声に気付いたのはつい7年ほど前です。
リスニング環境を一変させた時に聴こえてきて、その時はびっくりしました。
ところが、その時のアンプが壊れてしまい、
違うアンプと自作SPではうまく再生できないのです。

で、生形バスレフはボーカル域の解像力と分解能が高いので、ひょっとして聴こえるかなと試してみることにしました。

アンプはKenwood A-M70
結果、何か言っているのはかすかに聴こえます。
聞こえますが、フレーズまでは分からない。

安物アンプで駆動しているから難しいだろうなとは思っていましたが、聴こえたとは大したものです。

同じことをP1000を使った「3段MDF」では聴き取りが難しい。
ただ、こちらも試してみて、かすかには聴こえることが分かりました。

マークオーディオ OM-MF5
侮れない実力があるように思います。





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生形バスレフF特

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生形バスレフのF特を測ってみました。
上の図が測定図で、下はマークオーディオが発表しているF特です。

ウソこきました。
昨日の試聴で、10kHzにピークがあるように聴こえると書きましたが、10kHzは思いっきりディップで、あえてピークと言えるのは9kHzでしょうか。

ざっくり雑な表現をすると、中音のレベルが低く、100Hz以下はだだ下がりの特性です。
120Hzのピークは双方よく似た特性図になっています。
このピークのおかげで、ちょうどジャズのウッドベースの音圧が高いことになります。
100Hz以下はほめられた音圧ではありません。スネアドラムの再生が苦しいのは試聴と一致します。

ちなみに50Hzのピークは部屋の定在波の影響と思われます。

うっかり、ポートの低音特性を測り忘れてしまいましたが、fゼロ以下のレベルが急減しているので、
バスレフはあまり効いていないもようです。

発表図との違いは、やはり10kHz付近です。
このディップはすごい。
全く真逆です。
だからトライアングルが聴きづらかったのかな。
何でこんな特性になるんだろ。

全体的にはピークの値はよくそろっているように見えます。

このOM-MF5は非常にクセがない音に感じます。
突出した音質の特徴もなく、ソースの音をできる限り忠実に再生しようとしています。
情緒的な緩慢さがなく、ちょっと冷徹な印象です。

生形バスレフはそのユニット特性を最大限生かしたエンクロージャーではないでしょうか。


PS
吸音材は足すのではなく、配置を変えました。
天板裏だけだったのを半分千切って、裏板裏に貼り付けました。プラシーボ効果以外はなさそうですけど。

OM-MF5は逆ロールの深めのエッジです。ロングストロークのための構造かもしれません。で、表面にエッジの出っ張りがないので、グリル作りが楽でした。

さらにエージングでよくなっているような気がします。低音のアタックが反応してきた、ような気がしないでもないことはないか??











生形バスレフ、完成

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生形バスレフが完成しました。

仕上げは水性スプレーでつや消し黒。
自作のユニットガードグリルをピカピカのステンレスブラスボルトで共締しました。
振動板のシルバーと合っていて、私ご満悦。

さあ、音出しです。
この瞬間が一番楽しい。

小型バスレフなので、中高音のエネルギーが大きく、やたらハイ上がりに聴こえます。
低音音圧が相対的に低いようで、エレキのベースラインも階調がはっきりしません。

やっぱり1.5リットル程度のバスレフではこんなもんなのかな。

と、かなりガッカリ状態だったのですが、
エージングが進むと俄然低音が出てきました。

エージングってオーディオオカルトの一つだと思っていましたが、具体的に効果があったとは認識を変えないとダメですね。
ゆるいダンパーのはずなのに何でエージングが必要なんだろ?

取り付けネジを途中で増し締めすると、さらにいい。

改めて、かなりのパワーを入れて聴き直します。
エレキ、ウッドベースはまずまずで、、今度は階調も分かります。
しかしながらスネアドラムの量感はさすがに苦しい。
ただ、生形さんが量感より分解能重視でわざわざスリットバスレフにしたと言っていましので、狙い通りかと。
歯切れのいい低音です。
アンプ側のブーストが有効なタイプです。

テスト曲の小田和正では、中高域のストリングスの分解能が抜群です。
ハープ、ギター、エレキギター、ピアノ等の似たようなストリングスの残響音再現も素晴らしく、それぞれの違いがよく分かります。

15kHz付近をわざと持ち上げたとマークさんが言っていましたが、感覚的にはピークは10kHz当たりに聴こえます。
小田さんはトライアングルを楽曲に多用するのですが、よく聴こえてこない。

このユニットは高域エネルギーは高いけれど、伸びはイマイチなのではないでしょうか。
それでもフルレンジとしては優秀な方でしょう。

OM-MF5は1kHzと2kHzの間に段差があります。
フルレンジ特有の分割振動の暴れですが、
ボーカルに影響するので、多分ここがフルレンジユニット設計のキモだと思います。
原理上避けることはできません。

OM-MF5はこの段差が4dB以内で優秀、とはマークさんのお言葉です。
実際は小音量時は非常にスッキリしたボーカルで、ビートルズの「アデイインザライフ」のモゴモゴしたポールのボーカルもスッキリ再生していて、さすがと感じました。

パワーを入れてもボーカル分解能の高さは変わりませんが、サ行のキツさが目立ちます。
ううむ、ちょっと聴き疲れするかも。
細い化繊を吸音材として入れましたが、
増やした方がよさそうです。
でも、そうすると低音が痩せそうだし、悩むなあ。

経験では、200Hz付近の音圧を下げると、
だいたいボーカルはスッキリするものなので、
中低音の厚みとどう両立させるかが問題になると思っています。
このスッキリボーカルがユニットの実力なのか、
それとも単に低音が出ないことによってなのかで評価がガラッと変わってきそうです。

音のレスポンスは音域間のバラツキもなく中程度で、これは聴きやすい特性です。
ダンプドバスレフの効果かな。

定位はもちろん良好です。
特にボーカルの中央定位は抜群です。
たた、音離れがイマイチ良くない気もします。
音場がスピーカーに張り付いている感覚です。

能率はfostex P1000との比較ではOM-MF5の方が劣ります。
ただ、パワーを入れてもやばい感じがしません。
かなりの大パワーに耐えられそうです。
パラメーターでは8W(Nom)ですが、マークさんは15Wまで処理できるように設計されている言っていることに偽りはなさそうです。
まあ、予兆なしに壊れる可能性もありますが。

雰囲気はモニタースピーカーっぽい立ち位置です。
パワーが入って、カチッとして、締まりがあり、残響音もソースをしっかり再生してくれます。
ロングストローク設計だから、ゆるい音かと心配していましたが、杞憂でした。
ただ、モニターとしてなら、中音のわずかな荒れが惜しい!

箱とユニット、合わせて1万円のスピーカーとなります。
1万円かぁ。
どういう層がこのセットを買うのでしょう?

ただ音楽を聴きたい人には高いし、
スピーカーマニアはそもそも買わないか、買っても低音再生に不満が出ます。
コンパクトなCDアンプには、最初からスピーカーが付いているし…

生形バスレフの長所は高分解能。
それゆえの小型エンクロージャー。
この良さって伝わりにくい。
それってオーディオに興味がない人にはとことん興味が出ない分野なんだよなあ。



キットすごい

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生形バスレフの組み立てに入りました。
組み立て本では、速乾性の木工ボンドの方がいい、なんて書いてありましたが、
通常タイプにしておいてよかったと思いました。

このキット、プレ加工が素晴らしくよくできてます。
側板と天板、底板は45°カットされて、組み上がると木口が全く見えなくなります。
スリットバスレフの開口部の組み合わせは惚れ惚れする美しさです。
プレカット加工技術に脱帽です。

内部補強は徹底されており、この小さな箱一つに補強板が5本も使われています。
しかも位置がズレないように補強板用にわざわざザグリが入っています。
ザクリはバッフルと裏板にも施されていて、気密性と強度は十分です。

あまりにザグリの精度が高いので、一気に組み立てないとダメっぽいです。
つまり、一度の接着作業で側板、バッフル、裏板、補強板の全てをくっつけないとダメなのです。
はみ出した接着剤がザグリで固まったら、もう後からは取り付け不能です。
それぐらいのピッタリさです。

細かいことを言うと、バスレフのスリットだけは直角が担保できれば、事前にバッフルに取り付けできますが。

で、一気に組みましたが、すごくタイヘン。
ベルトクランプの緊縛の美を行う過程終了までに大体20分。
すげー段取り組んだつもりでもこの時間。
気温の高い季節がら、速乾性のボンドだったらヤバかったかも。


緊縛を解き 叩いて分かる 高剛性
(字余り)





基本だよね

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生形バスレフのユニット取り付けは、
フツーの木ネジです。
ユニットを自在に取り外ししたいので、
鬼目ナットをバッフル裏に打ち込むことにしました。

バッフルにはすでに木ネジ用の下穴が開けてあります。
推定φ2.0mm
ユニットを当てて穴位置を確認すると、
この下穴が中央に来ません。
どうやらユニットの端子板が悪さをしているようです。

しばし考えて、現物合わせで鬼目ナットの下穴を開けることにしました。
が、結構ムズい。
もともとの下穴がジャマをして狙った位置にドリル刃がなかなかきませんでした。

で、鬼目ナットを打ち込むのですが、
バッフル裏面には補強板を取り付ける座繰りがあって、ビミョーに干渉。
干渉するけど、補強板を差し込んでみると、ギリOKでした。

結果オーライ。

これで、下準備完了です。
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