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いい音って?4

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ここまでのおさらいです。
ケイが勝手に決める「よい」スピーカーユニット3条件。

•強力なマグネット
•高剛性振動板
•硬いダンパー系(小ストローク)

エンクロージャー条件
•空気室抵抗小(背面開放型か)
•バッフル厚が薄い

ユニットの細かな条件
•フレームが細くかつ高剛性

で、実際にこの条件に合うユニットはないので(たぶん) とにかく強いマグネットでダンパーの硬いユニットを向かい合わせに、コーン紙を接着。

2個のユニットが1つになって、バッフルに取り付けられますが、
こいつは表も裏も通常ユニットの裏側なので、
「あーあ、ユニット、逆さに付けちゃっているよ」
そんな見た目になります。

さて、エンクロージャーについても考えていきます。
今まで、背面解放型がいいと言っていましたが、背面が2π空間の平面無限大バッフルが理想です。
が、それは現実にはムリ。

それに近い形として大きな密閉型を想定します。
「大きな」ですよ。

密閉型と無限大バッフルとの違いは、
密閉型はボイルの法則の制限を受けるということ。
密閉型は振動板位置によって背面からの圧力変化を受けます。断熱圧縮による圧力変化です。

その結果、エンクロージャー内の空気は、
振動板に対して常にバネとして働きます。
これが振動板の動きを阻害します。
阻害はしますが、スティフネスをコントロールすることによって、空気はダンパーとしても働きます。

多くのユニットは箱の空気もダンパーとして使う前提で、ユニット付属のダンパー本体の効きをかなり落として、相対的に電磁気力の応答性を上げていると思われます。
そして応答性がいいマージンをm0を大きくする方向に振り、最低共振周波数も下げて低音を稼ぐ。
だけど、能率が下がるので、ロングストロークにする。ダンパーがゆるいので、ロングストロークにはしやすい。
そんなロジックで現在の小口径ユニットは設計されているように思います。
だからこそ、現代のユニットはびっくりするぐらいの小型エンクロージャーに納まります。

さて、もう一つの制限は音波の圧力です。
音波圧力はボイルの法則とは別で、反射した背面音波が戻ってきてコーン紙に影響します。
定在波も含まれます。

音色としては吸音材使用の是非はありますが、忠実再生を目指すと吸音材は肯定的になります。
ところが、ユニット近くに吸音材があるのはまずいのです。
空気が動きにくくなります。

背面の音波は減らしたいけど、近くの空気は自由に動かしたい。
ユニットから離れたところに吸音材を集中させればいいのかな。

密閉型は断熱圧縮力と音波圧力の2つをいかにコントロールするかがキモ。(だと思う)

いい音って?3

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前回の思考で、高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプがよいユニットとムリやり結論づけたので、
そこを出発点にエンクロージャーも考えていきましょう。

この3条件、高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプのユニットがあったとしたら、エンクロージャー内の空気をダンパー代わりにする必要もないので、振動板に関わる空気抵抗は少ないほど振動板は動きやすくなります。

ユニット背面の空気抵抗は少ないほどいいので、フレームは細く、ボビン内の空気抵抗にも配慮したものがいいでしょう。
バッフル厚は薄い方が振動板背面への空気抵抗が少なくなります。

そういう意味では背面空気抵抗が理論上ゼロの同相ダンデム駆動は悪くありません。
話は逸れますが、向かい合わせにした2つのユニットの振動板を接着したらどうなるか、一度やってみたい実験の一つです。
構造上も対称形になって、悪くないはずなんだがなあ。

閑話休題。
背面空気の抵抗が少ないエンクロージャーは背面解放型。
でも、背面解放に適したユニットの存在ってあまり聞いたことがありません。

「スピーカー作りはロクハンにはじまり、ロクハンに終わる」
そう言わしめたダイヤトーンの銘機P-610は、平面バッフルに向いているというのは聞いたことはありますが、他はどうなんでしょう?

現在の市販ユニットは背面解放で使われるようにはおそらく設計されていないので、
後面開放で使うとすればエッジとダンパーを加工した方が良さそうです。
硬い塗料で塗装してもいいかもしれません。
あるいはダンパー追加とか。

かつて、ユニットのあちこちにカシューを塗るっていうのが流行りましたが、こういう理論だったのでしょうか?

振動板条件では高剛性のみを挙げました。
一般的に良い振動板は、高剛性、高内部損失、そして軽量というのが重要な条件と言われています。
ここでは、マグネットは超強力という前提なので、軽くなくてもセーフ。
内部損失は高いにこしたことはないのですが、
そこは周波数特性にからんだ部分なので、今は条件に入れません。
ただ、内部損失は高い方がいいことは間違いないです。

さて、高剛性はいかに実現するのか?
かつてリブ入りのコーン紙のウーハーユニットがいろいろありました。
リブには剛性を上げるリブと分割振動をコントロールするリブの2種がありますが、ここでは剛性の方です。

剛性向上のリブ入りコーンと言えば、ケンウッドのLS-1000。初めて聴いた時はハイスピードでソリッドな低音に度肝を抜かれました。懐かし〜い。
あるいはビクターSX-10。変な形のクルトミューラー社コーン紙が思い出されます。
現行フルレンジだと、fostex FE208EΣ (24,447円)。4つ使うと約10万円。
……
でも自作でリブ追加は失敗の予感しかしません。

リブではなく、スピーカービルダーの定番のコーン紙塗装で剛性を上げるっていうのもアリではないでしょうか。
実際に塗っていた目的は、m0を上げてf0を下げたり、異質素材をコーティングすることによって音質コントロールをしたり、というのがほとんどでしたが、カシューのような硬い塗料であれば剛性も上がるでしょう。
あるいはセラックニスとか。

また、ここでまた接着タンデムタイプですが、剛性アップにもいいんではないかい?
振動板重量が倍になっても、マグネットも2倍になるため、駆動力では問題は出ません。
ダンパーも2個になりますが、振動板重量も2倍になるので、制動力はプラスマイナスゼロ。
駆動力、制振力共に変わりがないので、もともとダンパーとマグネットが強いユニットでないとダメってことになります。
その代わり、振動板の剛性アップと対称構造が利点となります。
また、振動板がパッシブでは動きにくくなるので、定在波等の背圧影響を受けにくくなるかもしれません。

つづく

いい音って?2

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さて、アンプからの波形はとりあえず図1だとします。
①では信号なし、
② 信号が流れ始める
③ 信号出力を維持
④ 出力信号の終わり
⑤ 信号なし

面倒なので電流量変化による逆起電力は考慮しませんし、再生周波数も考えません。


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対するスピーカー振動板は図2のような動きをするようです。
①振動板は機械的張力が均衡した位置。
② 振動板が目当てのストローク位置までに動いている時間
③ -1 磁界から受ける力とユニットの各張力がつり合う位置付近でのダンパー振動
③-2 磁界から受ける力とユニットの各張力がつり合う位置
④ ダンパー等の張力によって振動板が元の位置に戻る
⑤-1 張力系の振動
⑤-2 振動板は機械的張力が均衡した位置。①に同じ。

まず、②について。
②の時間をゼロにはできないが、振動板移動時間は極力短くしたい。
そのためには、ユニットの条件として、強力な駆動系が必要となります。
具体的には強い磁束密度、十分なコイル密度、コイルと磁石間隙小、低抵抗のコイル線、飽和しない磁力系が必要となります。
その上で、高剛性かつ軽い振動板系、低いダンパー張力、機械抵抗が少ないといった条件が付加されます。
フレーム剛性も大事です。
音圧を無視できれば、小口径、ハイコンプライアンスが向いています。

③-1 について。
振動板が動いた後にピタッと止まればいいのですが、これまたムリな話です。
動かす時は電気なのに止める時は機械抵抗に頼ることになります。(例外あり)

この振動板の振動を少なくするためには、
動きづらいダンパー系が必要となります。
高張力でバネ定数が大きくかつ減衰力の高いダンパーが想定されます。
細かいことですが、振動板動作系の機械抵抗が大きいほどこの振動は早く収束します。

③-2割愛

④ ダンパーの張力で戻るので、硬いダンパーが必要。

⑤-1 ③-1と同様。

結果、忠実再生に必要なユニット条件としては、
•軽い振動系
•高剛性な振動板
•強力な磁石
•低抵抗かつ高密度なコイル
•ダンピングの高いダンパーとエッジ
•高剛性フレーム

信号によって相反する条件が、
•ダンパーの硬さあるいは張力
•振動系の空気抵抗
•振動板動作系の機械抵抗

あったらいいなが
•飽和しない磁力系
•張力変化がリニアなダンパー
•ボビン間隙小

というユニットが忠実再生に向いていると推察されます。

これだと条件が多すぎですが、
圧倒的に磁力が強ければ、細かい問題が全て無くなり、条件がすごく少なくなります。
その場合は
•高張力なダンパー
•高剛性な振動板
の2条件でいけるような気がします。

具体的には高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプになります。

通常設計のユニットはエンクロージャー内の空気もダンパーとみなすので、単体でのダンパー張力は適度な値になっているのでしょう。
ちなみにダンパー張力が大きければ振動収束も早いので、ダンパー系の内部損失も考えなくてよくなります。たぶん。

これは思考実験なので、原理主義でいきます。
つまり、高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプがいいユニットとします。


つづく

いい音って?1

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いいスピーカーを求めて、自分なりにいろいろ実践したり、巨匠の音を聴かせてもらったり、文献を読んだり、コンサートに行ったり、オフ会行ったりしてきましたが、
やればやるほど分からなくなります。

いいスピーカーって何だろう。
いい音って何だろう。

そもそもスピーカーの評価軸が多すぎます。
しかもそれらが密接に絡んでいたり、いなかったり。
あるものは相反し、あるものは並存し、また、あるものは特殊条件下でないと発現しなかったりします。

スピーカーの理想形とはどんなものなんでしょう?
数式抜きで思考していくシリーズです。
作りません。考えるだけです。

いきなりですが、波形再生が忠実なスピーカーが良いスピーカーとします。
サラッと書きましたが、作るとなると難易度超高めな気もします。

忠実再生かどうかを何をもって判断するかってことは大事です。
ここでは、基本的にユニットの動作、すなわち振動板のストローク位置によって是非を判断します。
測定しません。考えるだけです。
その上で、エンクロージャーはそのユニットの動作を妨げない構造を考えます。

話を簡単にするため、コーン型振動板のダイナミック型のみを考えます。

つづく

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