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やっぱり分からん

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いつも以上に分からないまま密閉型とユニットについて考えていきます。
間違い等ご指摘いただけると助かります。

今回の思考実験では振動板質量もエンクロージャー内の空気によるバネも考えません。

ダンパー(エッジも含む)って振動板を保持する仕事もあるけど、
振動板を素早く0位相の位置に戻すってのが重要なのではないでしょうか。

戻るスピードは振動板質量とダンパーのバネ定数に大きく影響を受けます。
素早く正確に振動板を動かすなら、
バネ定数の大きい硬いダンパーの方がよいことになります。

バネ定数の小さい弱いダンパーの場合、
小さい力で大きく振動板が動きます。
振動板が最も前面に出た状態で駆動力がゼロになる信号だと、ダンパーの力でゆっくり0位置まで戻る。
逆位相も同様です。
電磁気力のFより、フックの法則のFが優位になると0位相の位置に戻ります。(慣性力も考えません)

ダンパーの戻る速度より高周波の信号が来た場合、
振動板が0位置に戻る前に次の信号で駆動されてしまわないのでしょうか?

硬いダンパーの場合でも動きは同じですが、
戻るスピードが速い。
なので振動板が追随できる閾値は高い周波数にシフトします。
つまり、硬いダンパーのユニットは高音まで出る。
実際、ツイーターのダンパーはガッチガチです。

そして、ダンパーのバネ定数と合致するピンポイントの周波数だけ、応答性が猛烈に高くなります。
共振ですね。

ダンパー共振より低い周波数を再生する場合、
振動板は常に0位相からスタートですから。
振動板が信号に追随できないという問題は発生しません。

ダンパーの復元力に追いつかなくて高周波が出なくなる境目が分割振動のスタート地点で、
その結果、分割振動による実質M0低下により高域再生が可能になるからフルレンジが成立するって考えでいいのでしょうか?

一番振動板が正確に動くのが、
ダンパーの固有振動数と信号周波数が一致した周波数で、これがf0っていう認識でよいのでしょうか?

しかし自分で言っていて釈然としないことが出てきます。
一般的にf0より低周波は音圧レベルが落ちていきますが、
私の屁理屈だと共振周波数より下の方が振動板は正確な動きをするはずなのに、
なぜ音圧レベルが落ちるんだ?

ダンパーと振動板質量、振動板剛性をセットにしてf0等の説明をしている文章に出会ったことがないので、
こういう考えで本当に正しいのかどうかが分かりません。

この理屈が正しいのなら、
高いQ0は高いf0と必ずワンセットとなり、
Q0が大きいと自動的に低音再生能力は下がるってことになります。

要するに、
エンクロージャーの空気バネを考慮しなくても大型の密閉に合うユニットでは低音再生は望めなくなります。
なぜなら大型の密閉箱に合うユニットのQ0は必然的に大きいから。

こんな結論になってしまいます。
こんなんでホントにいいのか?

それとも、ダンパーの力で0位相に戻るって考えが間違いなのか?
電磁気力に依存しているのか?
Σドライブなら関係ないのか?

何の力で振動板は戻るんだろう?

分からないことだらけなので、
密閉箱の考察はしばらくやめます。

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Q0とM0

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M0が小さく、
S0(Q0)が大きいユニットは
いっぱい市販されてます。
コーンの深さのない薄いユニットに多いですね。

デカいM0が欲しいなら、
振動板を重くしちゃえばいいんじゃね?



そう思っていた時期が私にもありました
(遠い目)

手始めはウーハーですよ。
振動板のカーブに合わせてスポンジをカットして、接着剤でくっつけました。
するとどうでしょう。

あまり変わらない。

耳がタコだったことは否定できませんが、
極端に良くも悪くもなりませんでした。
音のキレは減ったかな?
M0が増えて低音が出た分か能率低下で相殺されたか、
ダクト駆動が狂ったか。

お次は高音のキツいフルレンジにやってみました。
フィリップスAD5061/M8

コイツはダブルコーンだったので、
まずはダブルの部分を切り取ってみました。
やっぱり耳タコであまり変わらない。
で、またスポンジ作戦ですよ。
これは変わった。
ダルに変わった。
全然良くない。

話は逸れますが、
このフィリップスAD5061/M8
今一度チャレンジしたいユニットではあります。
実はスポンジ作戦の後に、
秋葉原でデモ機に遭遇しまして、
すごく良かった。
ホントに良かった。
ダクト面積が全く違った箱で、
こんなに違う音になるのかと、
ショックを受けたのがいい思い出です。

さて、
低音増強のために振動板を重く加工するのはリスクが高いことを身をもって知りました。
もしくはスポンジでやろうっていうのが間違っていたのかもしれません。
でも高音を抑えるってことには効果ありです。
たぶん。

しつこく密閉型とユニット

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こっから先はいつもより、
かなりトンチンカンなことを言っているような気がします。
訂正情報カモン!

大容量の密閉型スピーカーとユニットについて考えます。
イラストは以前示した大容量密閉型の等価回路です。

M0:振動系等価質量
S0:支持体スティフネス
Sc:エンクロージャー内部スティフネス

エンクロージャー容積は十分に大きいので
Scを定数に置き換えると、
回路は
M0=コイル
S0=コンデンサー
だけになります。

極端に考えると、
大小の組み合わせは4種類。
1 M0大、S0大
2 M0大、S0小
3 M0小、S0大
4 M0小、S0小

M0の大きさはそのままコイルの大きさと同じ概念でOKです。
M0が大きいほど高周波に制限が出ます。

S0は振動板の動きづらさですので、
動きづらいほど低周波に制限が出ます。
S0は値が大きいほど、小さな値のコンデンサーを入れているようなものです。

レンジ幅を無視すると特性がフラットになる組み合わせは1と4で、
これらがフルレンジ向きと言えます。
逆に
2はウーハー向きで3はツイーター向きです。

ざっくばらんに言えば、
概念上はS0をQ0と置きかえることができるので、
フルレンジ向きなのは
M0大、Q0大
M0小、Q0小です。
くどいようですが、エンクロージャーのスティフネスは無視です。

前回ユニット探しの話をしましたが、
Q0が大きくてM0も大きいユニットが
なかなかない理由を考えてみました。

ここで運動力学の基本です。
1式  F=ma 運動方程式
2式  F=kx フックの法則

1式から重い振動板を動かすにはより大きな力が要ることが分かります。
ここでのaは振動板半径ではなく、運動加速度です。
2式では硬いダンパー(支持体)に付いた振動板を動かすにはより大きな力が要るとわかります。

なので
M0が大きくてQ0も大きいユニットは
ダブルで強い駆動力が要るってことになります。
そのためには、
1 強力な磁力系
2高密度なボイスコイル
3 ボビンの低間隙
4 線材の低抵抗
が必要となり、コストに直結する事柄ばかりです。
さらに、硬いダンパーには硬い振動板でないと意味がない(と思う)
硬いとコストもさることながら、
固有振動を可聴域から追い出すことが難しくなります。

そういうユニットを安く探そうとしたのが間違いでした…

ユニットを考える

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そんなにQ0c=0.7にこだわらなくていいのでは、
とのアドバイスをいただきまして、
確かにその通りだよなと思った次第です。
じぁあ次ッ!

では大型密閉に向いたユニットを考えていきます。
今、手持ちユニットが皆無なんですよね。
「乙Z」以外のスピーカーも全て人にあげてしまって、
新しく買わないといけません。
あ、ダイソー300円ユニットはあるけど、
あれはちょっとね…

まずQ0。
これは大きい方がいいでしょう。
0.7〜1.0ぐらいが目安でしょうか。

ユニットサイズ、すなわちa(有効振動板半径)は、50mm〜60mm。
今回、80リットルJIS箱は12cm口径以下用なので、
これより大きいのはアウトです。
パラメータでコレが明記されてないのが実に多い。
バスレフ設計でも困らないのかな?
販売されているので合致するのは14cmクラスと思われます。


重要指標はM0ではないでしょうか。
コイツはストレートに低音再生能力に直結します。
12cmクラスだと5.0gを超えると大きい方です。
M0が大きいと自然とf0も下がった値になってます。

ダンピングに影響があるのがマグネット強度。
強力な程、硬いダンパーでも駆動できます。
エンクロージャー内の空気バネに期待できないので、
ユニット単独で強力に制動をかける必要があります。
値段の高いユニットは大抵いい磁力系を持ってます。
強力なマグネットに低いQ0ってのは結構ありますが、
なかなかいいユニットがありません。
Q0が大きいユニットはM0が小さいな。

機械的Q=Qms
電気的Q=Qes
に分けて表記されているまじめなユニットもある一方、
TSパラメータがよく分からんユニットも多い。
ええと、Q0を出すには、コンデンサーみたいな計算するんだっけ?

Q0で考えたらFostexなんて全滅じゃないかな。
コイズミ無線さんでいろいろ見ていたら、
良さそうなのがありました。

Visaton 13cmフルレンジ WS13E-8
3,352円(内税)
インピーダンス:8Ω
再生周波数:fu~12kHz
出力音圧レベル:86dB
入力:40W/60W
fS:83Hz   Qts:1.08
Qms:3.52  Qes:1.56
Vas:7.7L   Mms:5.1g
バッフル開口径:φ113mm
重量:340g
(写真)

Qts=Q0と見ればいいですね。
ものすごくパワーが入るのが特徴のユニットです。
パラメータでは大型密閉型に向いていそうです。

しかしながら、
写真からはマグネットがやや小さく、
フレームが弱いようにも見えます。

送料込で8千円超か…
納期が1,2ヶ月ってのもあって購入に踏み切れません。

キューッ!

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密閉型で使う公式は

①Vc =3.5×10*4×a*4/(f0c*2-f0*2)M0
②Q0c=f0c×Q0/f0
③Q0c=0.7(が望ましい)

①式はユニットパラメータから容積を出す公式で
②は望ましい特性になると思われるf0cの設定公式。
でいいのかな?

先に③を②に代入して計算してから①をやるって順番だな。

今回はJIS箱について考えるので、
容積は80リットル一択。
なのでQ0について考えます。

いろいろ式をいじくっていると、
Q0cは二乗すると1/2になる数字だと分かります。
正確には0.707・・・

まあ、それはいいとして、
式から分かることは、
ユニットのQ0が小さいほど箱の容量が小さくて済みます。
実はユニットのQ0が0.7より大きいと式が破綻するので、
そんなにQ0が大きいユニットは存在しないのかと思ったら、
さにあらず。

有名どころでは、
ダイヤトーン P-610
Q0=0.8
M0=6.5g
f0=80Hz
a=6.5cm

この場合は箱はデカけりゃデカい程いいってこと?
それとも箱に入れた時のQ0であるQ0c=0.7に設定するのがまずいのか?
③の公式は無視してもいいのかな?

いきなり分からん。

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