基盤の問題点を探りましょう。
まず、配線類を基盤から全て外しました。
目視ではショート箇所が分かりません。
右chは安定しており問題はないので、
左chのターミナルブロックのハンダを付け直す作戦で行きます。
ついに「はんだシュッ太郎」の出番かっ!
こいつはIGTさんオススメのハンダ吸い取り器です。
セオリー通りにするなら、一度ハンダを吸い取ってから、新たにハンダ付けだよね。
少し考えて、やっぱり面倒なのでやめました。
フラックスを塗って、ハンダコテで付け直しする作戦に変更。
左ch のイン、アウト両方のターミナルブロックのハンダが少し少なくなるようにしました。
そして配線の取り回しをスムーズになるように調整して再接続。
一部、接続が乱れていたのを発見!
でもこれは右chだったので関係なしです。
直しました。
ケースに基盤を固定して、まずはむき出しで音出ししてみます。
配線の押さえ具合で状況が変わります。
何だよそれ…
2つのケースをまたぐ配線を押さえつけるとOK。ハム音もしません。
手を離すとダメ。
ケース固定状態の配線は押さえつけた状態と同じなので、そのまま固定。
音出ししながらケースを閉じたので、
OK状態を維持できてます。
これで解決したって言っていいのかな?
音出し中に壊れても左chが出なくなるだけなので、リスクは少ないと判断します。
よし、これで完成!
って思っていたんですよっ!
翌朝、またもや振り出しの状況。
早速開腹。
やはり、配線の張力で状況が無段階に変わります。
いろいろ試してみると、
ハムの変化が一番大きい配線はRCA入力配線でした。
つまり、ボリュームに至る配線ってこと。
一周回ってボリュームにまたたどり着きました。
その配線をボリューム基盤と水平方向に固定すると、大丈夫なことが分かりました。
ちょうど底面に固定できる穴があるのでそこにタイラップで固定しました。
固定した後は、他の配線位置による変化は起きません。
ボリュームのスライド抵抗がヤワなのが原因で、しかも仕様のようです。
緊張感もなく、そのまま視聴に入ります。
ムチャクチャ低音が出ます。
弾むようなベースラインがハッキリ出ます。
でもアタック音等の立ち上がりは弱い気もします。
高音は出ない。
パワー単独よりさらに出ない感じです。
プリとパワーで「高音出ないコンビ」だった説が濃厚です。
もちろん聞こえない訳じゃないけど、
すごく抑えられてます。
シンバルなんかは平気だけどトライアングルだとかなり弱い。
某社のsolなんかと組むとバランス良さそうにも感じます。
中高音のピアノやキーボードの奥行き感も粒だちも良い。
ボーカルは艶っぽい。
中音域は音場感も含めてかなりいいようです。
少ない記憶を探ると昔のサンスイの音っぽい。
高域の繊細感は特に乏しい。
情報量が足りないんじゃないかな。
勝手なイメージだと、微細な高周波を捨ててS/N比を稼いでいる感じ。
ドラムのブラシのリアルさがあまり出ません。
ツイーターを強くしてもダメっぽい感じです。
多分、F特を測定してもこういうのは見えてこないだろうな。
スーパーツイーター追加は効果ありそうです。
オーディオってこうやってトータルバランスを考えるものだったのだな。
あれこれ言ってますが、
総じて、変なクセや粗さはなく悪くはありません。
しかしながら大味なのが好みではありません。
でも音の重心が低く、ゆったり音楽を聴くにはいいかな。
デザインも手前味噌ですが気に入ってます。
やたら全体がデカいとか、LEDが眩しいとか、コネクタの取り付けが甘いだとかは気にしない。
ベースの板はオニクルミをイボタロウで磨いています。
ケースは3Dプリンタで作ったプラスチック。
原材料の違いでビミョーに色が違うパーツがあるのはご愛嬌。
スピーカー制作では見かけない組み合わせですが、木とプラスチックの相性が悪くないことを初めて知りました。
ボリュームダイヤルもレバースイッチも好きな形を選んだのでお気に入りです。
半年もやっていた
「向井パワーアンプ」「向井プリアンプ」
それと「電源部」やっと終着点に辿り着けました。
3つセットでプリメインアンプ完成です。
この半年、モノ作りの楽しさを再確認できました。
道具代も含めて、普及型プリメインアンプが楽勝で買える金額を費やしています。
その過程で、アンプ制作スキルはスピーカーと全く違うってことも体験できました。
今回もパーツ集めから、細かなノウハウが必要で、とても一人ではできませんでした。
改めて、アドバイスをくださったIGTさん、向井さん、ありがとうございました。
アンプ班の頑張りにも励まされました。
これで、翌朝またリセットだと立ち直れないかも。