FOSTEXスピーカーコンテスト

秋葉原で行われていたフォステクスさんのスピーカーコンテストに行ってきました。
お目当ては受賞作品の試聴です。
会場は超満員!
人混みの奥に受賞作品が並んでいます。
どれも個性的です。
いや、個性的すぎます。
全作品を試聴できるものと思っていましたが、大賞と優秀賞の計3作品だけでした。
かなりがっかり…。
まずは審査委員長から審査基準の発表です。
1,低音再生を重視した音の良さ
2,オリジナリティ
3,見た目の美しさ
こういうのって応募するときに言ってほしいなあ、と、応募もしていないのに心の中でチラと思いました。
意外なのは低音再生に重きを置いていることです。
実際はサブウーハーと小型SPという楽しみ方をしている人も多いかと思うのですが…。
さて、本番です。
最初は優秀賞、青木さんの「Primula」。
プリムラって何だろうと思ったら、花の名前ですね。
その花色の青の塗装が美しい小型ブックシェルフです。
女性ボーカルが艶やかで明るく爽やかな音です。
小型なので音の重心がやや上の方ですが、低音もそれなりに伸びています。
低音は量感重視で輪郭がやや甘い感じです。
トータルバランスが見事です。
2番目は優秀賞、Kenbeさん「木彫Ⅴ」。
大型フロアだけあって重心の低いどっしりした鳴り方です。
余裕を持った各帯域の分担で歪み感がありません。
以前聴かせていただいた時より、低音のキレが甘く分離がやや良くない感じです。
設置と部屋がフロア型にはややきつい感じです。
4ウェイのクロスポイントは3K、600~700、70だそうです。
ミッドのハイを3Kで切っていることがかなり意外でした。
ボーカルのスムーズでなめらかな音はこの新型ユニットの効果かと思っていましたが、
ツイーターにかなりお仕事をさせています。
それでいて、不自然さは全くなく繋がりも全く意識されない見事さです。
低音が出ないという評でしたが、3作品の中では一番出ていました。質の好みの問題かなあ。
好みでいうと、もうちょっと高音を効かせたセッティングで鳴らして欲しかったです。
さて、真打ち。
大賞、中造さん、「完全無指向性2WAY呼吸球スピーカー」。
あぜんとするスピーカーです。
こんなことが出来るのかという畏敬の念さえ浮かびます。
巨大サッカーボールの各面にスピーカーを配して、無指向性呼吸球スピーカーを作る…。
誰でも考えます。考えますが、普通やめます。
それをやってしまった作品がコレです。
すごい、すごすきます。
ばけものです。
片CHでフルレンジユニット30個、ツイーター1個。しかもそのツイーターも水平方向には無指向性の反射コーンが付いています。
金色のこの台も自作…。
ここまできて音を言うのは野暮というものですが、あえて言ってしまいます。
音はあまり良くない…。
いや、ここでは良く鳴りませんでした。
イコライザー使用を前提としたチューニングが施されているのに、会場ではその用意がありませんでした。
それはないでしょう、フォステクスさん。
そんな訳で全体にぼやけた感じの音に聞こえました。ボーカル帯域の下がよどんで重たい印象です。
ジャズはいい感じに鳴ります。
シンフォニーは音が固まって鳴る感じが変にリアルです。
音場もいいとは感じませんでした。
広がりが少なく、定位も甘いフィーリング。
会場が悪すぎます。このサイズであれば、壁から3mは離したいところですが、会場が狭すぎです。
スクエアにパーテーションで区切られ天井の低いこの部屋はとてもSP試聴には向きません。
でも、私の中でも中造さんの大賞はゆるぎません。
ただ、もう1回聴きたい。
ベストコンディションでもう1回聴きたいです。
中型のホールぐらい必要になるかもしれません。
イコライザーも付けてお願いいたします。
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