新型密閉
今回、ちょっと真面目ですよ(笑)。
「多自由度バスレフ型の研究開発」 http://mcap.web.fc2.com/indexj.html
で鈴木さんが日記に書いていらっしゃる箇所は私も気になっていた点です。
12月7日の日記から抜粋いたします。
「(前略)Stereo誌のコンテストで、先生方の大型の作品を聞いていて気付いたのだが、大型の箱は、癖が耳に付く。(以下略)」
スピーカー再生技術研究会のオフ会で聴いたMCAP-CR型が、バスレフのクセをなくした上に上質の低音再生を達成してたことを思い出されます。
近年のバスレフ型の改良は目を見張るものがあります。
一方、密閉型は改良、進化が止まったかのようにすら見えます。
断絶している密閉型技術として「アコースティック・エア・サスペンション方式」があります。
オーラトーン5Cが有名ですね。
この方式の特徴は小容積のエンクロージャーで低音再生を達成できることです。
そのためにはエンクロージャー内には吸音材を隙間なく充填し、ユニットにはQゼロが小さくMゼロが大きい小口径のユニットが必要となります。
デメリットは能率が下がることと専用に開発されたユニットが必要なことが上げられます。
この「アコースティック・エア・サスペンション方式」を現代流にアレンジできないものかとずっと考えていました。
「多自由度バスレフ型の研究開発」 http://mcap.web.fc2.com/indexj.html
「オーディオの科学」 http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm
に紹介されているエンクロージャー模式図を使って自分なりに整理して考えることにしました。
まずはおさらいです。

a図は振動板を横から見た図です。振動板には前後があります。
b図は理想的な平面バッフルにユニットを取り付けた状態です。
Gはグランドの意味で振動板の動きとは無関係に動かない座標点(絶対静止系)です。
背面は無限空間に開放されているので空気バネの効果は考慮する必要がありません。
厳密には背面にも振動板にまとわりつく空気がバネ効果をもたらしますが、話を簡単にするために無視します。
c図は密閉型エンクロージャーです。エンクロージャー内に密閉された空気が非常に強いバネとして働きます。
振動板の制動が効くので締まりの良い低音になりやすい方式です。
d図はバスレフ型。背面のバネの先にある四角はバスレフダクト内の空気質量を示します。エンクロージャー内の空気バネは絶対静止系とは分断されています。ダブルバスレフの場合はこの先に更にバネとダクト質量がぶら下がってきます。
e図はアコースティック・エア・サスペンション方式です。
密閉型と同様にエンクロージャー内の空気はグランドと接続されていますが、空気の特性が断熱変化から等温変化に変わっているので、圧縮によるバネ効果はないものと仮定されます。
ただし、圧縮にかかわる抵抗は大きく示す上に元に戻る力も強いです。
つまり、バネにように圧縮で反発力が変化しないのが通常の密閉型との違いです。
イメージしにくいのですが、良く伸びるガムを想像すればいいかと思います。
つづく
「多自由度バスレフ型の研究開発」 http://mcap.web.fc2.com/indexj.html
で鈴木さんが日記に書いていらっしゃる箇所は私も気になっていた点です。
12月7日の日記から抜粋いたします。
「(前略)Stereo誌のコンテストで、先生方の大型の作品を聞いていて気付いたのだが、大型の箱は、癖が耳に付く。(以下略)」
スピーカー再生技術研究会のオフ会で聴いたMCAP-CR型が、バスレフのクセをなくした上に上質の低音再生を達成してたことを思い出されます。
近年のバスレフ型の改良は目を見張るものがあります。
一方、密閉型は改良、進化が止まったかのようにすら見えます。
断絶している密閉型技術として「アコースティック・エア・サスペンション方式」があります。
オーラトーン5Cが有名ですね。
この方式の特徴は小容積のエンクロージャーで低音再生を達成できることです。
そのためにはエンクロージャー内には吸音材を隙間なく充填し、ユニットにはQゼロが小さくMゼロが大きい小口径のユニットが必要となります。
デメリットは能率が下がることと専用に開発されたユニットが必要なことが上げられます。
この「アコースティック・エア・サスペンション方式」を現代流にアレンジできないものかとずっと考えていました。
「多自由度バスレフ型の研究開発」 http://mcap.web.fc2.com/indexj.html
「オーディオの科学」 http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/helmholtz.htm
に紹介されているエンクロージャー模式図を使って自分なりに整理して考えることにしました。
まずはおさらいです。

a図は振動板を横から見た図です。振動板には前後があります。
b図は理想的な平面バッフルにユニットを取り付けた状態です。
Gはグランドの意味で振動板の動きとは無関係に動かない座標点(絶対静止系)です。
背面は無限空間に開放されているので空気バネの効果は考慮する必要がありません。
厳密には背面にも振動板にまとわりつく空気がバネ効果をもたらしますが、話を簡単にするために無視します。
c図は密閉型エンクロージャーです。エンクロージャー内に密閉された空気が非常に強いバネとして働きます。
振動板の制動が効くので締まりの良い低音になりやすい方式です。
d図はバスレフ型。背面のバネの先にある四角はバスレフダクト内の空気質量を示します。エンクロージャー内の空気バネは絶対静止系とは分断されています。ダブルバスレフの場合はこの先に更にバネとダクト質量がぶら下がってきます。
e図はアコースティック・エア・サスペンション方式です。
密閉型と同様にエンクロージャー内の空気はグランドと接続されていますが、空気の特性が断熱変化から等温変化に変わっているので、圧縮によるバネ効果はないものと仮定されます。
ただし、圧縮にかかわる抵抗は大きく示す上に元に戻る力も強いです。
つまり、バネにように圧縮で反発力が変化しないのが通常の密閉型との違いです。
イメージしにくいのですが、良く伸びるガムを想像すればいいかと思います。
つづく
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