ミューズの方舟 その2

2番手は 「多自由度型バスレフシステムの研究開発」の鈴木さん「CON GIOIA」です。
「スピーカー再生技術研究会」の会長もなさっています。
今回のコンテスト出品作品の中では一番地味というかオーソドックスな外観です。
ダクト2本のバスレフにも見えますが、ダブルバスレフが2本内蔵されているような特殊構造で副気室をさらにダクトで連結する「多自由度バスレフ構造」です。
全てのダクト長は綿密に計算されています。
この機体は以前「集まれ塩ビ管スピーカー」のオフ会で聴かせていただきました。
高音のエネルギーが強く、またクセが感じられ、非常に個性の強い音を放っていました。
今回、油土は乗っていませんね。
一聴して、以前と全く違う高音域です。
前回のネガティブな部分が全くありません。
穏やかさもある鳴り方でごくごく自然で低音部とのマッチングが図られています。
かなりエージングを重ねたとの情報がありましたが、こんなに変化が出るとは驚きました。
低音は前回同様、締まった質のよい低音です。
広い会場でもブーミーさはみじんも感じられません。
パイプオルガンの最低部はやや空振りでしたが、驚異的な低音の伸びです。
さらにスネアドラムが実に心地よく、この良好な音質を実現するAICC-CR型の底力を感じます。
ボーカルも濁りがなく美しい響きです。
大編成もそつなくこなします。
でも、音場感はよい感じはしませんでした。
逆相接続したモヤモヤした雰囲気がなぜか全体にかかって、遠くで鳴っている感じがします。
定位は小径フルレンジとしては普通に思えました。
外観とは違って独創的は理論に裏付けされた意欲的なスピーカーです。
アイデア賞に1票入れさせていただきました。
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