新型密閉容量計算

今回の新型の密閉型スピーカーは第1気室1.35リットル、第2気室10リットルです。
スピーカーの容積として機能するのは第2気室だけですから、10リットルです。
パークオーディオのDCU-131Aを普通の密閉型で使ったときの最適容量を第1気室の空気質量1.75gをMゼロに追加した数値で計算してみます。
FOSTEX「CRAFT HAND BOOK」の公式と使うと、
等価Q=0.7の時、容積2.5リットル fゼロcは105Hzとなりました。
ちなみに10リットルの容積だとfゼロcは66Hzとなりますが、等価Qが低すぎになってしまいます。
誠文堂新光社「スピーカー&エンクロージャー百科」には何とアコースティック・エア・サスペンションの公式があります。
これに当てはめてみます。
等価Q=0.7の時、容積2.45リットル fゼロcは全く同じの105Hzとなりました。
ほとんど同じです。
アコースティック・エア・サスペンションってただの密閉型同じなのでしょうか?
私の認識はこうでした。
1 アコースティック・エア・サスペンションに向くユニットはQゼロが低く、かつMゼロが大きいもの。
2 うまく作るとユニットfゼロより低いfゼロcになる。
3 システムとしての能率は低い。
4 メカニカルか電気的に中音域のレベルを下げると超フラット特性になる。
5 低音はダンピングの効いた良質なもの。
6 エンクロージャー容積は少なくても良い。
理由はこうでしょう。
1について:エンクロージャー内部の空気スティフネスが高いので、自然とユニットの実効Qが高くなるから。
Mゼロを小さくとるのはエンクロージャー体積を減らすためとfゼロcを低くとるため。
2について:理由不明かつソース未確認。(?)
3:Mゼロを大きいユニットを使うから。
4:Mゼロが大きいユニットを使うから。
5:内部スティフネスが高いから。(?)
6:???
全て通常の密閉型で説明がつくところもあればそうでない部分もありそうです。
そもそも、私の認識の客観性があやしくなってきました。
再び元の計算値ついて考えます。
最適な等価Qの値(0,7)が普通の密閉型と同じなので同じ計算値になってしまうのです。
アコースティック・エア・サスペンションには独自の等価Q計算式がないと密閉型との差はでてこない理屈になります。
そもそも本当に0,7でいいのかな?
fゼロc/fゼロ=Qゼロc/Qゼロとという計算式も同様です。
今までの情報を総合すると、アコースティック・エア・サスペンションという独自のエンクロージャー形式というのは存在せず、
普通の密閉型に吸音材を沢山入れただけということになってしまいます。
アコースティック・エア・サスペンションっていうのはただの商標だったのかな?
吸音材を沢山入れると、内部スティフネスが上がると思うのですが、
前出の誠文堂新光社「スピーカー&エンクロージャー百科」には見かけ上の内部空気スティフネスが下がるという記述があって更に理解できません。
見かけ上ってことは何かとの比較で使う表現ですよね。
一般的に内部スティフネスを下げるには空気容積を上げるか空気の動く抵抗をなくす。
あるいはユニットの駆動力を上げるかMゼロを上げるといったところでしょうか。
この場合に当てはめて考えると、空気抵抗は上がるのでスティフネスは上がってしまいます。
ユニット駆動力は変化が出ませんから無関係です。
Mゼロはそもそも高い値のユニットが向いてはいますが、
アコースティック・エア・サスペンションだから上がるというものではありません。
ユニット由来のものはユニットのスティフネスだからますます関係ないかな?
内部空気のスティフネスに変化を与えられる他のパラメーターがあるとしたら、
吸音材の熱変換速度変化と音波速度変化だと思うのだけど、ここで足踏みです。
誰か教えて~っ。
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