作動原理

アコースティック・エア・サスペンション形式の作動原理をまとめます。
いろいろ調べて、分かっていることとそうでないことがゴチャゴチャになっているので、
私自身の推測も含めたまとめです。
間違いをご指摘いただければありがたいことです。
図の①が普通の密閉型の低域周波数特性です。
それに吸音材をたくさんつめると減衰は穏やかになり②のようになります。
そして吸音材による容積減少により②のfゼロは①に比べて上昇します。
これはどのユニットを使っても変わりはありません。
大前提としてこの緩やかな低音の減衰を得るために吸音材を多くつめるのであって、
見かけ上のスティフネスの低減だとか、
エンクロージャー容積を小さくできるとかは、副次的なものと考えます。
Qゼロについても同様で、Qゼロが低いユニットを使うのも、緩やかな減衰のためです。
ですから、システム上のQゼロCも同様に低い値でかまいません。
通常の密閉型は0.7~1,0のQゼロcですが、
アコースティック・エア・サスペンション方式のQゼロcは低い値でOKになります。
したがって
Qゼロc/Qゼロ=fゼロc/fゼロの式が活用できるとすれば、
通常の密閉型よりfゼロcが低く設定できることになります。
これが、fゼロが下がるという表現の理由の一つと考えられます。
つまりシステムのQゼロcが小さいのだから、計算上fゼロcも小さいとはずということです。
もちろん通常の密閉型と比較しての話です。
その緩やかな減衰の低域はそのままで、中低音域より上の周波数のレベルを落とします。
機械的に落とすやり方では専用に開発されたユニットでなくてはダメですが、
Mゼロの極端に大きいユニットを使えば可能です。
この場合はそもそも①の状態で中低音以上の周波数レベルが低くなっているはずです。
アコースティック・エア・サスペンション方式の能率が低いのはこのためです。
市販ユニットを使う場合は機械的にレベルを下げるやりかたはできません。
電気的にネットワークを使用します。
その際はマルチウェイの方が調整が楽になります。
機械的か又は電気的に③のように周波数特性が変化すると、
見かけ上のfゼロが下がります。
見かけ上とあえて言うのはインピーダンス特性には影響がないからです。
これがfゼロが下がる2つ目の理由です。
この場合はもっと極端に能率が下がります。
機械的、電気的どちらを使っても低能率なシステムにならざるを得ません。
カタログ値で使う周波数特性ではマイナス10dBまでを再生帯域として記しますので、
低音再生域のカタログ下限「a」が伸びて図のようになります。
これがアコースティック・エア・サスペンション方式の作動原理なのではないでしょうか?
fゼロが下がるという表現が散見されるにもかかわらず、
数式計算ではかならずしもそうはならないことが不思議でなりませんでしたが、
これならば、納得できます(?)
Qゼロcについても密閉型やバスレフ型の数値は使えないことが分かります。
こんなんでどうでしょう?
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