PARCサウンド鑑賞会その10

会も佳境に入ってきました。
10番手はMr.Hippoさん、Dream One Artist。
13cmポリプロピレンフルレンジをミッドバスにした2ウェイです。
ツイーターは同じPARC製のDCU-T111Sです。
お写真で見るより小型の印象です。
イスに座るとユニットは耳よりかなり下に来ます。
石ころで上向きに!と思ったらコルクのようです。
ツキ板仕上げは一流です。
資料によるとウーハー部の容量は12リットルで、長い矩体の下には砂が入れられています。
1本30kgらしいので多分今回の重量王です。
ネットワークはきめ細やかな調整がなされており、この会に向けて更なる微調整が行われたとのことです。
ボーカルがポンと前に出てきます。
中音レベルが高いのではなく、分解能に優れているのでしょう。
でも全体に重心が低い印象の音です。
低音はムリをしていない自然なイメージですが、
ウッドベースの震えが感じられるほどリアルな低音です。
サックスがゆったり聞こえる余裕ある鳴り方で歪みの無さが分かります。
持参CDはまず混声合唱です。
余計な付帯音がなく、ホールの余韻を見事に伝えます。
音場感、定位共に非常に良好です。
ご本人も後で解説されていましたが、声楽の合間の鳥のさえずりのリアルさにはびっくりしました。
上の階で本当に鳥が鳴いているのかと思いました。
切れのある音ですが、刺激的な所は全くありません。
アタック音の再生も優秀です。
なかなか表現が難しいのですが、ソフトなモニターっぽいと言えばいいのでしょうか、
非常に高分解能で繊細な音で軽やかに音楽を楽しめます。
特定の帯域が音をマスクすることもありません。
音質も全帯域で乱れがなく、クセも全く感じません。
ピアノもホールの余韻をよく伝え、コンサート会場にいるみたいな気になります。
いや、コンサートでもこんなにベストな位置には座れません。
クロスは2.5KHz。ツイーターにかなりのお仕事をさせています。
PPコーンの優秀も目立ちますが、このツイーターもよく考えたらすごいワイドレンジです。
こってりとか重厚とかたっぷりとかそういう形容詞は似合わない機体です。
派手な部分もありません。
高度なネットワーク技術を駆使して現れる音はさりげなく、しかし、洗練されています。
例えて言えば懐石料理みたいなスピーカーです。
よけい分からないか…。
音質でこれをしのぐ市販品はそうはないでしょう。
自作スピーカーの頂はこんなにも高いものだったのか…。
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