スキャンピーク音出し

ステレオ誌のスキャンピークをダブルバスレフに入れてみました。
とにかく穴はどんぴしゃなので、何も苦労せず取り付けることができました。
上図はspedに10F/8422-03のパラメータを入れて、ダブルバスレフ箱に入れた時のシミュレーションです。
V1:4リットル fb1:107Hz
V2:12リットル fb2:48Hz
第2気室が大きい設計で、少し変わったバブルバスレフです。
ややfb2が低すぎる気もしますが、インピーダンスも3つの山がしっかり出て、45Hzまでフラットになっています。
まあ、シミュレーション上ですが。
ハンダ付けの後、極性を慎重に確認して音出しです。
軽い音質です。
ややハイ上がりの事前情報通り、高周波の音圧が高く腰高に感じます。
特性図では凹んだ中域は聴いた感じではフラットです。
女性ボーカルがやや堅い感じもしますが、混濁等はなくすっきりさわやか。
ソフトによってはボーカルはきつい場面もありましたが、これは100mmしか離れていない第1気室の隔壁がユニットに近すぎるせいかもしれません。
スイープ音での低音は90Hzまでは十分な音圧です。
そこから下はだら下がりのように聞こえますが、シミュレーション図のように50Hzまでの落ちはなだらかです。
音場はフツーかな。左右の奥行きがもうちょっと欲しいところです。
音離れがいいので中央定位はいいです。
中低音の薄さのせいで、重厚さがないのが最大の欠点かもしれません。
しかしながら低域はしっかり伸びていて、スネアドラムやウッドベースの音階もきっちり再生してくれます。
この中低音をどうすのかが設計のキモになるように思いますが、ダブルバスレフやバックロードではそこの調整が難しそうです。
ただ、現状でも歯切れのいい低音は良質と言ってもいいレベルです。
高域は音圧が高く伸びも十分ですが、透明感のある高音ってほどではありません。
しかし、変なピークやディップはないようでクセがなく大変聴きやすい音色です。
このユニットの一番の優れた点は情報量の多さです。
昨年のおまけスピーカーのP800と比較しても段違いの情報量の多さです。
P800は密閉メタルバッフルも複合ホーンのどちらも、緻密さでは10F/8422-03に全く歯が立ちません。
箱ではなく明らかにユニット能力の差です。
分解能も一枚上手で今まで埋もれて気づかなかった軽いドラム打音が聞こえたりします。
ここからは眉に唾をつけて聞いてもらいたいのですが、
近い音質のスピーカーの記憶をたどると、なんとヤマハNS-1000M。
軽いのに下まで伸びるソリッドな低音、中高域の高分解能、ハイ上がりの雰囲気が似ています。
眉唾終了。
もっと別な言い方では、「なつかしい音」です。
古いラジオみたいな、という意味ではなく、なぜか「なつかしい」感じ。
うまく言葉で言い表せないのですが、明瞭なボーカルとすっきりした音がそう感じさせるのでしょうか?
実際、生ギターのフォークソング(ニューミュージック?)が合っていたりします。
好きだなあこの感じ。
何の調整もなしでこのままイケるクオリティになっているような気がします。
変なクセもなくナチュラルです。
軽いイメージはありますが、帯域は十分広くワイドレンジです。
でも高域はもう少し落とした方がバランスはいいですね。
4時間ぐらい鳴らしたら、低音が更に出てきてバランスが良くなったように思います。
エージング早いなあ。
このまま応募しちゃおうかな。
でも、あまっていた箱に入れて「出来ました」って応募してもダメだろうなあ。
おまけユニットでこの高レベル。
恐るべしスキャンピーク。
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