スピ再技研その5

4人目は加藤さん「GAMATAMA multi」。
事前情報で私が一番楽しみにしていた機体です。
ユニットはステレオ誌付録のスキャンピーク。
丸いヘッドユニットに下半分がワンタッチで取り替えができ、バスレフ、ダブルバスレフ、MCAPと構造を変えることができる可変型のスピーカーです。
丸いヘッドは花火の殻に使われる紙製です。
もともとは5mm厚の殻に新聞紙やカシュー塗料で更に剛性を高めてあり、触らせてもらうとカッチカチです。
まずはヘッドユニットのみのバスレフ。
さあ、注目の音出しです。
ガツンと出てくる音のパンチに驚きました。
あのスキャンピークとは思えないガッツのある音です。
大音量の立ち上がりをいとも簡単にやってのけます。
球の剛性もありますが、リアから引っ張るユニット固定が効いているのかもしれません。
ひずみ感がなくキレが抜群ですが、ユニットのトランジェントに頼ってる音ではない感じです。
低音もソリッドでいいです。
サックスがのびのびと鳴り、音場も良好。
ジャズだけでなくシンフォニーもいいです。
あえて難を言うと高域の伸びはもう少し欲しいところです。
お次は円筒形のゴミ箱みたいなのを接続してダブルバスレフです。
先ほどのシングルバスレフより低音の量感が増し音圧も高くなっています。
音が左右に広がり、サックスがスピーカーより外側に定位しています。
音場に広がりがあるという言い方もできますが、妙に逆相の疑似音場っぽい感じも受けます。
中高域はスキャンピークらしい繊細さも持ち合わせています。
音を聴いているとなぜか眠くなります。
さあ、最後はMCAP、多自由度バスレフです。
もう、宇宙にもいけそうな形になっています。
でも、仕上げは民芸調。
音出しです。
全てに余裕のある低音再生です。
レンジ、量感ともに優れ、分解能も十分です。
ホントの重低音以外は全部再生可能な超ワイドレンジです。
ダブルバスレフより低音のキレが上がり、中高域も楽に出ている感じがしました。
音場も自然で、いい意味でソフトな鳴り方です。
とても10cmフルレンジとは思えない鳴りっぷりです。
初めから勝負にはなっていないのは分かっていましたが、同ユニット使いの「ジグザグ」の完敗です。
このMCAPがステレオ誌の本戦に出てればグランプリと思えます。
でも今までの審査傾向だと緩い低音の方が評価が高いようなので、
ダブルバスレフで本戦出場は正解かもしれないなと思い直しました。
スポンサーサイト