いい音って?5
ここで長年の疑問を吐露します。
「ユニットはエンクロージャーのサイズをどうやって知るの??」
力を受けるということを「知る」としてます。
電気信号がユニットに入って振動板が動きます。
無限大バッフルでは空気の疎密派が前後に広がっていって、ユニットには何も戻ってきません。
無限大バッフルはそれで終わりですが、
密閉型エンクロージャーに入っている場合は、中の空気による圧力を受けます。
どうやって?
音は空気を構成している分子(以下 空気分子)の疎密振動の伝播です。
空気そのものが移動している訳ではありません。
最終的にユニットに作用するのはユニットに接している空気分子だけになります。
その分子はメートル単位ではほとんど動きません。
では、その空気分子は箱のサイズや構造をどうやって知ってユニットにフィードバック??
例えば、奥に細長いエンクロージャーがあったとします。
その場合、ユニット直後の空気分子は、背面開放型だと思うのでしょうか?
それとも密閉型だと思うくのでしょうか?
そしてそれを知るのはいつなんでしょうか?
その長いエンクロージャーが仮に密閉型だとして、一番後端が340m先だったらどうなのでしょうか?
音波伝達はだいたい1秒で340m。
仮に音波で情報伝達しているなら、空気が密閉型だと知るのが1秒後。
そしてそれをユニットに知らせるのがさらに1秒後。
電気入力してから2秒後になります。
遅すぎないか?
じゃあ、その2秒間のユニット動作は?
ボイルの式には時間軸が入っていません。
ここは波動方程式を使わないとダメなのか?
この件は、身近な物理に詳しい人達に訊いて回っていましたが、ほとんどの人は考えてもくれません。
ボイル系の他のナゾとしては、
もっと長いチューブのエンクロージャーだったら無限大バッフルと同じなのか?それとも違うのか?
もし中身が空気じゃなかったら?
後者の件は、
密閉型で中の空気を別の気体にすると背面圧力のコントロールができるのではないか、ということをずっと考えておりました。
例えば、背面に別の気体を入れることによって、
ユニットにはより大きな箱に入っていると錯覚させることができないか?
実は内部の気体をキセノンに置き換えると、気体分子量の変化で音速は約半分になります。
これで、密閉型の容積が大きくなった効果は出ないでしょうか?
しかし、残念ながらボイルの法則には無関係です。
本当は全く無関係でもないのですが、
中の気体が何だろうが、断熱圧縮による体積変化は、そのまま圧力変化になります。
でも、どんな音が出てくるんだろう?
実際にキセノンガスを閉じ込めておけるのかどうかは分かりません。
扱うのは常温で1気圧なので、技術ハードルがすごく高いとも思えません。
こういうことを考えた先人はきっと必ずいます。
でも実現できていません。
やっぱり意味がなかったのかな?