バックキャビィーのなぞ1
バックロードホーンの
バックキャビィーが関係した式に
かの長岡鉄男氏のものがあります。
fx=10•S0/Va
fx:ホーンとユニットのクロスオーバー周波数(Hz)
S0:スロート断面積(cm2)
Va:バックキャビィー容積(l)
変形すると
Va=10•S0/Fx
つまり、バックキャビィー容積を大きくすると、
クロスオーバーが低くなる。
ホーンから放射される最低周波数が下がる。
え?
どういうことなの?
以下は私自身のホーンに対する理解です。
思考をまとめるために列記いたします。
1 ホーンの基本原理は空間との隔壁です。
音波疎密波が通常空間の空気によって
疎密が平均化されないようにする隔壁です。
2 そして
空間に放射する際にある程度大きい開口部が必要になります。
ドライバーと開口部をなだらかにつなぐ隔壁の広がり方でいくつかのホーンの種類に分けられていますが、
基本的にはエクポネンシャルホーンを使います。
3 また、開口部サイズによって再生帯域が決まります。
再生周波数の低域下限は、その波長の1/2の口径が必要になります。
再生周波数の上限は下限周波数の5倍となります。
ホーンの周波数特性はホーン開口部径に依存して、ドライバーには依存しません。
ただし、ドライバーサイズは周波数特性には関係がないものの、
ホーンサイズの大小に直結します。
ほとんど数式抜きでまとめると、
こんな理解をしています。
ところが長岡式によると、
バックキャビィーを大きくするとホーンの下限再生周波数が下がります。
それだったら大きくすれば楽だよね。
長岡式でバックキャビィー容積を求めるためには、
クロスオーバー周波数周波数f0を200(Hz)をすればいいとされています。
ホントに単位はHzなのでしょうか?
それだと、f0はただの定数扱いなので、
Va=S0/20
になってしまい、
バックキャビィーとスロート断面積には適切な比がありますよ。
ということを言っているだけになります。
ホーン原理から言えば、
200Hzを再生するためのホーン径は
85cmになります。
バックロードホーンとしてはかなりの大型になります。
その際、ドライバー、バックキャビィー容積からホーン再生周波数は影響を受けないはずだと理解していました。
この長岡式の意味はどういうことなのでしょうか?
え、まさか、ユニットからフロントに直接放射される音の特性を述べているのか?
バックキャビィーを密閉型ととらえれば、
確かに容積が大きくなれば再生下限も下がります。
その結果、ホーンとのスロスオーバーも下がると言えば下がります。
ん?ということはバックキャビィー容積の式は密閉型の式の一種?
いやいや、
密閉型の容積はf0の二乗に反比例するはずなので似ていない。
それとも見えないだけで、
スロート断面積(S0)を展開するとf0の逆数が含まれているのかな?
同様にバスレフの式とも違います。
ああ、やっぱり分からない。
ちなみに、乙Zのバックキャビィー容量は1.95リットル(ユニット容積除く)
長岡式から求めると1.2リットル。
差は750cc。
テニスボール5個分です。
つづきます
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