理想のSP3 バスレフ型の等価式
理想のSP箱3 バスレフ型の等価回路
フロントとバックにホーンを使ってユニット前後の対称性を確保するというのは、
フロントホーンがちゃんと機能する前提の話でした。
しかし、小型フルレンジ一発でのシステムだと、
ホーンを通過できる音域は確実に狭くなります。
というのが、前回までのお話。
さて、ここからが本題です。
スピーカーの大まかな構造を考える時に、
「等価回路」を参考にしています。
「等価回路」とは、
物理的,機械的な特性を電気回路に置き換えて周波数特性を考える回路と解釈してます。
電気回路に置き換えられる素子は
「抵抗」「コンデンサー」「コイル」の3種類。
例えば、
ユニット支持体の機械的抵抗は周波数に関係なく出力低下に影響するのでこのパラメータは「抵抗」に置き換えられます。
振動板質量m0は大きいほど高周波が抑えられるので「コイル」
エンクロージャー内の空気抵抗は大きいほど低音が抑制されるので「コンデンサー」
こんな具合にさまざまな機械抵抗のパラメータを電子素子に置き換えると、
パラメータ変更による出力特性が予測しやすくなります。
この等価回路は不思議なことに
単純なエンクロージャーが単純な等価回路になるとは限りません。
例えば側板のある後面開放式なんかは、側板の放射抵抗なんてものも加味されて、
他にはないような超複雑な回路になったりしてます。
そして、やや複雑な回路図なのがバスレフ型です。
多くのスピーカーシステムの等価回路がシリーズ接続だけで構成されているのに対して、
バスレフ型の等価回路は内部にパラレル回路があります。
これは排他的要素があるパラメータ群があることを示しています。
バスレフ型の等価回路は
キャビネット内部スティフネスが、
パラレル接続のコンデンサーのに置きえられています。
パラレル接続の他のパラメータはダクト内空気質量とダクトの空気機械抵抗といったダクト内部の空気質量と機械抵抗の総和。
キャビネット内部スティフネスは振動板半径の4乗に比例し、
キャビネット内容積に反比例します。
この回路から読み取れることは、
振動板半径を大きくして、キャビネット内容積を小さくすれば、
ダクトの機械抵抗は無視できるほど強力に駆動できるってこと。
ユニットサイズの変更は4乗で効くので箱サイズ変更より変化が出やすい。
逆に、小さいユニットで箱が大きいバスレフ型はダクト内空気の機械抵抗がバカにならないってことになります。
また、ダクト内空気質量の制動力にも制限がかかります。
こうした場合はダクトサイズや形状に注意が必要になることが分かります。
ユニットに変更がない前提でいくと、
ダクト{ポート}の効果はエンクロージャー{キャビネット}容積に左右されて、
ユニットサイズ、エンクロージャー容積共に変化がないなら、
その内部構造に影響されるってこと。
(ここ試験に出ます)
つづく
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