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いい音って?2

20181028072635aa6.jpg

さて、アンプからの波形はとりあえず図1だとします。
①では信号なし、
② 信号が流れ始める
③ 信号出力を維持
④ 出力信号の終わり
⑤ 信号なし

面倒なので電流量変化による逆起電力は考慮しませんし、再生周波数も考えません。


20181028072755a87.jpg


対するスピーカー振動板は図2のような動きをするようです。
①振動板は機械的張力が均衡した位置。
② 振動板が目当てのストローク位置までに動いている時間
③ -1 磁界から受ける力とユニットの各張力がつり合う位置付近でのダンパー振動
③-2 磁界から受ける力とユニットの各張力がつり合う位置
④ ダンパー等の張力によって振動板が元の位置に戻る
⑤-1 張力系の振動
⑤-2 振動板は機械的張力が均衡した位置。①に同じ。

まず、②について。
②の時間をゼロにはできないが、振動板移動時間は極力短くしたい。
そのためには、ユニットの条件として、強力な駆動系が必要となります。
具体的には強い磁束密度、十分なコイル密度、コイルと磁石間隙小、低抵抗のコイル線、飽和しない磁力系が必要となります。
その上で、高剛性かつ軽い振動板系、低いダンパー張力、機械抵抗が少ないといった条件が付加されます。
フレーム剛性も大事です。
音圧を無視できれば、小口径、ハイコンプライアンスが向いています。

③-1 について。
振動板が動いた後にピタッと止まればいいのですが、これまたムリな話です。
動かす時は電気なのに止める時は機械抵抗に頼ることになります。(例外あり)

この振動板の振動を少なくするためには、
動きづらいダンパー系が必要となります。
高張力でバネ定数が大きくかつ減衰力の高いダンパーが想定されます。
細かいことですが、振動板動作系の機械抵抗が大きいほどこの振動は早く収束します。

③-2割愛

④ ダンパーの張力で戻るので、硬いダンパーが必要。

⑤-1 ③-1と同様。

結果、忠実再生に必要なユニット条件としては、
•軽い振動系
•高剛性な振動板
•強力な磁石
•低抵抗かつ高密度なコイル
•ダンピングの高いダンパーとエッジ
•高剛性フレーム

信号によって相反する条件が、
•ダンパーの硬さあるいは張力
•振動系の空気抵抗
•振動板動作系の機械抵抗

あったらいいなが
•飽和しない磁力系
•張力変化がリニアなダンパー
•ボビン間隙小

というユニットが忠実再生に向いていると推察されます。

これだと条件が多すぎですが、
圧倒的に磁力が強ければ、細かい問題が全て無くなり、条件がすごく少なくなります。
その場合は
•高張力なダンパー
•高剛性な振動板
の2条件でいけるような気がします。

具体的には高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプになります。

通常設計のユニットはエンクロージャー内の空気もダンパーとみなすので、単体でのダンパー張力は適度な値になっているのでしょう。
ちなみにダンパー張力が大きければ振動収束も早いので、ダンパー系の内部損失も考えなくてよくなります。たぶん。

これは思考実験なので、原理主義でいきます。
つまり、高剛性振動板、大マグネット、小ストロークタイプがいいユニットとします。


つづく

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No title

こういう話題好きです。
注意しなければならないのは、矩形波の応答の図なのですが、音声信号は、音圧信号なので図の1階微分形(すなわち振動板の速度)になります。
だからどうだということはないのですが、このあたりもややこしいところです。
振動の速度を捉えるピックアップは、ダイナミック型のマイクロフォンや、アナログのカートリッジですが、スピーカーでは、変位の制御がやっとで、速度は成り行きになってしまいます。
でもやっぱり、音って違いますよね。
技術的評価は難しいですね。
続きを楽しみにしています。

No title

Suzukiさん、こんにちは。
そうか、すると図1はアンプがスピーカーにさせたい仕事のイメージってことですね。
ストローク位置によって、
アンプからの電気仕事量と振動板の仕事量が合わないな、
とは思っていましたが、やっと理解できました。
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