妄想に浸る
先日、和太鼓のコンサートに行ってきました。
総勢8名で、大きいのやら小さいのやら。
決めポーズも散りばめられて美しい。
戦隊もののカッコよさに通じるものがあります。
かなり邪道な鑑賞姿勢なのですが、
このライヴの音がスピーカーから出ているとしたら、
どう評価をするかな?
そんなことを考えながら聴いていました。
では、目をつむってスタート。
腹にズンズンくる低音です。
音圧が凄まじく、音を聴いているのと違う感じがします。
特定の変わった音の太鼓以外は定位が甘く、
中央にぼんやり広がっています。
奏者の掛け声が楽器位置とは違うすごく端から聴こえてきたりもします。
低音の音圧は強いが、重低音かというとそうでもない。
時々聴こえる低い太鼓は単数らしく、
腹にくるような響きは薄い。
楽器のレンジは狭く、
特に高周波成分はあまり聴こえない。
それに引き換え、聴衆の拍手は高い音が多く、
また、音場もワイドかつトランジェントも鋭い。
全体として音域のつながりがよく、
特定帯域の荒れも感じない非常に低歪。
ただ、音の立ち上がりは高域が強く、低音は甘い。
中央定位と楽器の分離は良くないが、
前後距離も分かる非常にリアルな音場を作る。
てな、感じでしょうか。
本当にこれがスピーカーだったら、
とてつもないパワーが入るものです。
それこそPAでなければ不可能な音量で、フルレンジ一発では、ムリかしら。
和太鼓って重低音でズンズンくるのかと思っていましたが、
実際は同じサイズの太鼓を同時に鳴らした時が一番腹にきました。
つまり、音量の方が効いているようです。
今回の大きい太鼓は3尺2寸。
十分大型ですが、
単独使用では何度も言うようですが、
ズンズンきません。
よくある、打音の後のブルブル音も全く聞こえませんでした。
スピーカーとしての評価「定位」と「音域の広さ」は低く、
「リアルさ」「3次元的音場」「低歪」は高得点となります。
でも、これが本当の音なんだよね。
聴取位置が2階席の後ろだったので、
もっと近くなら違った可能性は高いです。
以前聴いた和太鼓ライヴでは、もっと重低音が出でいたので、
聴く位置が悪かったのかもしれません。
今回、妄想に浸るために目を閉じて聴いていましたが、
舞台が見えないとすごくつまらない。
和太鼓演奏は観る要素がすごく大きいな、
と感じました。
奏者の皆さん、
ノリが悪い観客ですみませんでした。
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