新作スピーカー
オントモ(フォステクス)M800を二つ使ったシステムを考えてみました。
M800は中音から高音の素性は良い。
中音の暴れもないので、
中低音の量感でゴマかす必要はありません。
足りないのは純粋に低音だけです。
音場型は今回無視して、ユニット二つを低音増強に全振りするシステムを考えましょう。
私自身がバックロード工作が苦手というのが判明しているのでバスレフベースとします。
で、思いついたのが、
逆相ケルトン(仮称)
ユニットをそれぞれ分離された箱に納めます。
一方をバスレフ、もう一方をケルトンにします。
今は廃れた技術ですが、バスレフの低音部だけを活用したのがケルトン型です。
フロントからのユニット音は隔離した空間で減衰させます。
ケルトン部のユニットは外部からは見えないので、ダクトが2本付いているバフレフに見えるでしょう。
こういう構成だと一般的には、
バスレフの共振周波数よりケルトンの周波数を下げて、バスレフ単独よりも低音を増強します。
今回のキモは両者の共振周波数を揃えて、ケルトン側を逆相で鳴らすことです。
ご存じの通り、バスレフ型の欠点はダクト共振周波数以下は逆相になるため、合成された出力では急激に減衰することです。
ケルトン側を逆相で鳴らすと、
ダクト共振周波数以下が正相になるので減衰しません。
ユニットからの音も逆相になってしまいますが、ケルトン型なので外部には出ません。
問題はユニットf0からダクト共振周波数までの間が、バスレフとケルトンで逆相で打ち消されてしまうことです。
ユニットからも低音は出ているので、無視することも可能ですが、
ケルトンのダクト開口部に物理的なバンドパスフィルターを取り付けられれば解決します。
この考えは新しいんじゃあるまいか?
がぜんやる気が出てきました。
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逆相にすると、ダクト共振周波数のピーク同士が逆相で打ち消してしまうのでうまくいきません。
SCTさん、
アドバイス、ありがとうございます。
ダメなの?
ピークが逆相ってのは確かにそうですね。
ダクト周波数以下が減衰するのはナゼなんだろう?
ダクト周波数以下が打ち消すのは低音の回り込みです。
しかし打ち消すと言ってもピーク以下が-18dB/octで落ちるだけなので、ユニット出力よりも落ちるのは共振より下の周波数になってからですので、一般的によく言われている密閉のほうが下まで伸びるというイメージとは違っています。
一般的イメージでは、密閉とすぐに逆転するというイメージですがそうはなりません。
共振の1オクターブ以下では逆転しますが、仮に共振が40Hzの場合は、20Hzで逆転することになりますが、一般的な音楽の帯域ではずっとバスレフのほうが音圧が勝っていることになります。
そのため音圧だけで見ればバスレフのほうが良いことになります。
遅延などで密閉が勝りますのでメリットはあります。
この形状のまま形にするならば、逆相ではなく正相で作れば、ダクトのピーク同士は正相になり低音増強になります。
SCTさん、
詳しい説明、ありがとうございます。
「回り込み」をコントロールできると、
落ち込まないのでしょうか?
ますます、実際に作って試したくなりました。
回り込みは、振動板の前の音と後ろの音が回り込んで打ち消すことです。
低音は音波が長いので(50Hzは6.8メートル、25Hzは13.6メートル)ダクトから出た低音(ダクト共振以下)は位相がほとんど元のままですので、逆相のままですので、ユニットの前から出た正相と打ち消しあいます。
私もこれをどうにかしようと考えたことがありますが難しいです。
ダクトが5mなどとあれば位相が反転するので打ち消しがなくなるということになりますが、ダクトの共振周波数が10Hzとかになってしまって、ただの密閉とほとんど同じになります。
あるいは長大な共鳴管になります。
ともかく、図のまま逆相にするとうまくいきません。
バスレフ部分はダクト共振周波数以下(ユニット正面からの低音とダクトを素通りしたユニットの低音が逆相で打ち消し合う帯域)で減衰しますが、ケルトン部分にはそれはありません(ダクト共振周波数以下も低音が伸びるはずです)。
両者のユニットを同相で鳴らせば理論的には単純にそれらの合算になるはずですので、上手くいきそうです。
SCTさん、
ご説明ありがとうございます。
ダクトの位相を反転するには
波長分離せばいいのですね。
物理的な距離でなければ、できないかな?
きたやまさん、
ダクト周波数のり下がユニットと逆相になるのは、
波長が長いせいでダクトを素通りするからなのですか?
パッシブラジエターでも同じ動作なのでしょうか?
バンドバスフィルター有無、
正相逆相どちらも試せるように作ってみます。
> ダクト周波数のり下がユニットと逆相になるのは、
> 波長が長いせいでダクトを素通りするからなのですか?
「波長が長いせい」というか、ダクトがバスレフ(箱内の空気がバネ、ダクト内の空気が錘り)として動作しなくなるので、
単なる穴開きの箱をユニット背面の音波(逆相)が通り抜けてくるのではと思っています。
> パッシブラジエターでも同じ動作なのでしょうか?
振動板が穴を塞いでいるので、音波の通り抜けは無くなるのではないかと。
という事は打ち消し合いの無い分、パッシブラジエターの共振周波数より低い帯域でもユニット前面からの低音が活きてくるんじゃないでしょうか。
ダクトの位相を反転するというか、出てくるダクト共振以下の低音の位相を反転という意味ですね。
5mとか10mという数字になってくるので、現実的には無理です。
共鳴管なら可能ですが。
あるいはウーハーを5mなどと物理的に離すか。
パッシブラジエーターもバスレフと同じで、共振周波数以下の低音は逆相で出て来ます。
そのため低音の打ち消しはバスレフと同じです。
パッシブラジエーターのメリットは、中高音の漏れ音が少ないのと、共振周波数を低くしたい時に、ダクトだと長くなって箱内に収まらなくなるといった場合にパッシブラジエーターならば振動板の重量とバネで共振周波数を調整できるので、バスレフでは難しい数値が可能になることです。
きたやまさん、
SCTさん、
解説ありがとうございます。
やっぱり難しいです。
ダクトから逆相を出さないよう
何かアイデアないかな。
ケルトンと電気的な組み合わせなら
理屈の上では簡単なんだけど。
何となく邪道だしなあ。
あるいは物理的な遅延。
面白味はありませんが、ケルトンのほうの共振を、上部のバスレフ共振よりも低い周波数にすればいいです。
共振している周波数は正相です。
ダクトの共振がなくなった周波数は逆相になるわけです。
その周波数にケルトンのほうの共振を乗せれば、逆相をケルトンの正相で上書きするという事です。
SCTさん、
おはようございます。
フツー、そうしますよね。
今回、いろいろな実験も試してみるので、
あえてバスレフと同じでやってみようと思います。
前面のフィルターで位相がどう変化するかも興味があります。