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理想のSP2 ダブルのホーン

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理想のSP箱2

アコースティックエアサスペンションで
疑似的な無限大平面バッフルを構築しようとしてしくじった、
というのが前回のお話。

ユニットの表裏を同じような2Π空間にできないなら、
とりあえず、前後を同じ方式にすれば対称性は維持されるよね。
という考えに変更です。

当たり前のことですが、
一般的なスピーカーでは、
ユニットの前後空間は環境が違いすぎます。
コイツを何とかしたい。

そこでホーンスピーカーですよ。
リアはバックロードホーン、
フロントはショートホーンを組み合わせれば、
とりあえず前後共にホーン構成となります。
これなら相性が悪いとは言わせない。

で、作ったのが、
「ツインホーン」
これは大型のスパイラルホーンに
ハイパボリックホーンを組み合わせたものでした。

スパイラルホーンは本当にホーン動作しているのか?
という疑問は横に置いておきます。

コイツはホーンの出来より、
内容積が少なくて低音再生にそもそもムリがありました。
その後、ユニット変えたり、物理イコライザーつけたりと手を加えましたが、
根本的な解決には至りませんでした。

しかも、無垢の木材削り出しという、
ガッツが不足している状態では到底できないフロントホーンも
たた、クセが出ただけのような気もします。
労作と言えば労作だったけど。

近作の「乙Z」もコンビネーションホーンです。
リア:エクスポネンシャルCWホーン
フロント:ハイパボリックホーン

リアのバックロード設計は悪くなかったと思いますが、
中音漏れと低音ダンピングに悩む作品でした。
フロントホーンによるクセが出なかったのは、
ホーンとしてあまり機能してなかったからかもしれません。
素性は悪くないので、もう少し手を加える計画でおります。

前後をホーンってのは、再生帯域の確保から
フロントをショートホーンにしなければいけなくなります。
必然的にフロントはハイパボリックホーン一択。

そうすると、実にバランス悪いf特になる可能性があります。
あるいは特定の帯域のレンポンスだけがいい、とか。
コレってジャジャ馬になっているだけとも言えます。
実際、「ツインホーン」では、ノッチ回路の出番となりました。

結論
フルレンジの場合、
フロントホーンってなくてもいいじゃん。
バックロードホーンだけでいいじゃん。

つづく

理想のSP1 無限大平面バッフルとアコースティックエアサスペンション

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理想のSP箱1

(今回のは特に能書き成分過多です)

あまり自分では意識してなかったのですが、
私はスピーカーユニットの理想動作を目指して箱を作っていたようです。

ズパリ理想状態は「無限大平面バッフル」
無限大に大きい平面にユニットを取り付けた
仮想的なシステムです。
ユニット前後の波動を完全分離できる理想的なシステムです。

中学生時に購入した
「スピーカーシステムの自作」日本放送出版協会 飯島徹 著
では、無限大平面バッフル製作は実際には不可能なので、
背面の2Π空間を箱に押し込めたというところから話がスタートしてます。

刷り込みとは恐ろしいもので、
それ以来全てのスピーカー箱は
擬似的な無限大平面バッフルの出来損ないって考えていたようです。

そんな訳で長岡理論とは相入れるはずもなく、
いつしかスピーカー製作からは遠ざかっておりました。

で、話を戻すと、
趣味のスピーカーを再開するに当たって、
無限大平面バッフル」の呪縛から離れられたのかと言うと、全然そうではありません。
自覚したのは最近ですが、
無意識に設計の端々にそういうのが顔を出してました。

最初の具現化したのが
拙作「K-N1」
廃れた技術であるアコースティックエアサスペンションを現代的復活できないかと、
悪戦苦闘した作です。

一般的にアコースティックエアサスペンションというと、
ゆるゆるなダンパーのユニットに小型密閉のスティフネスを使うシステムで、
キャビネット内部には吸音材が充填されてます。

求められるユニット特性として、
低いQ0、高いコンプライアンス、低いf0、大きいm0
なので、ドンピシャのパークオーディオ13cmメタルコーンユニットを使いました。

アコースティックエアサスペンションの動作とは「圧縮断熱を吸音材の振動熱に変換する」なんて怪しいことも理論書に書いてありました。
私的には、
吸音材により音圧が十分に減衰して裏板や側板に到達できなければ、
擬似的な2Π空間が背面に構成できると解釈しました。

結果は大失敗で、
アコースティック云々よりも
このユニットの7kHzピークの除去に手間取りました。
ノッチ回路や高域の弱さをパッシブ回路で何とかしようと、
巨大なネットワークを構成することとなり、
2Π空間どころか、f特を整えるのに悪戦苦闘している始末でした。

しかも、低音の質にも満足出来ず、
最終的にはバスレフになってしまい、
非常な敗北感を味わいました。

アコースティックエアサスペンションに向いたユニットは現在はないので、
この方式はユニットダンパーや振動板を加工できるスキルがないと不可能。
という考えに至り、諦めたのでした。

つづく

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12cm以下用JIS箱、
だんだんと作りたくなってきました。
まずは脳内でシミュレーション。

やっぱりデカいのが問題です。
奥行きの30cmはいいとして、
バッフルが60×45cmもある。

こういうディメンションの箱って最近見ないな。
だいたい比率が4:3:2って、
いろんな意味で問題あるだろ。
定在波出まくりの予想が立ちます。
その辺は吸音材で何とかするしかなさそうです。

で、作る条件として、

1 折りたたんで運べる
2 ユニット交換が容易
3 バッフル面には補強を入れる

こんな感じかな。

一番の問題は「1」の折りたたみ。
常設は難しい大きさなので使わない時は畳んでおきたい。
当然気密性も確保しないといけません。
あのデカいバッフルを接着なしで成立させるにはどうすれば良いのだろう?

「2」「3」は同時に解決した方がいいな。
補強を兼ねてサブバッフル方式でいくか?
重たいのは困るので、
板厚を上げる方向はないな。
昔はやたらと貫通ボルトで強度を上げる作例が多かったけど、
私の技術でできるのだろうか?

ちょっとワクワクしてきました。

JIS箱

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スピーカー再生技術研究会のオフ会は楽しく終わりました。
いや〜、皆さんすごい!
上から目線のようで、褒めちぎるのはかえって失礼な感じもしますが、
音が破綻しているのは私ぐらいなもので、
他はどれもメインスピーカーとしてお持ち帰りしたくなる出来でした。

そもそも論で、
何でスピーカーを作り始めたのかと言えば、
お金はないけど、
自分のステレオが欲しかったという、どストレートな理由からでした。

初めて作ったのが、中学生の時で
何と25cmウーハーの2ウェイバスレフ。
バスレフ計算のルートを手計算でやっていたのが懐かしい。
定在波対策にアーチ状構造を内部に入れてました。

まあ、そこで最近の自分の自作スピーカーの出来を振り返ると、
中学生の自分に謝るレベル。
「ごめんなさい、私」

そろそろ真面目にやらなきゃな。
決して不真面目ではなかったのですが、
頑張るベクトルが違いすぎです。
ここは一発、初心に帰って趣味を見つめ直してみましょう。

そこでJIS箱ですよ。

ユニットに必ずついていたのが特性図。
JIS箱に入れて軸上1mで測定した周波数特性です。
当時から、JIS箱スゲ〜!とは思っておりました。
しかし見たことない。

実際、
JIS箱に入れて音楽鑑賞している人や
聴いたことがある人にも遭遇していません。
本当に実在するのか、JIS箱?

いったいJIS箱は、
すごいのか?
すごくないのか?

古い手元データのJIS箱は、

ユニット12cm以上
縦*横*奥行き1200*900*600(内容積は約600L)
ユニット12cm以下
600*450*300(内容積は約80L)

口径別にサイズが2種類あり、
当然ながら密閉型です。
12cmのユニットはいったいどちらに分類されるのか?悩みは尽きません。

容量が大きいのが特徴のようです。
でかい、デカすぎです。
逆にこんなデカい密閉がちゃんと鳴るのか心配になるほどのデカさです。

まあ、確かに1970年代の自作例でよくあったダイヤトーンのP610は、
ものすごく大きい箱が多かったですね。

16cm級だと600リットルといった非常識なJIS箱サイズですが、
10cmクラスだと80リットルとやや現実的です。

板厚や補強材のデータもどこかで見たような気もするのですが、今は分かりません。
吸音材は内部全面に貼るだとか、
バッフル面にも貼るだとか、
イマイチハッキリしない部分も多い。

コレ、聴いてみたいなあ。
パンパンに張ったコーン紙の10cm級なんて良さそうです。

聴いてみたいっていうことは、
自分で作らなきゃいけないってこと。
本気で作るのか?私。こんなのを。

すごいのは容積というのは分かりました。
手元のデータが古すぎるので、
今のJIS箱もコレなのかは分かりません。
誰か教えて!

冒頭イラスト
「スピーカーの完全自作」電波新聞社 昭和53年 P46イラストより

スピ再技研オフ会雑感

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スピーカー再生技術研究会 オフ会が、
11/5(土) 中野ゼロ 視聴覚室で行われました。

拙作「ダイソー1800」を持参。
全9人の発表がクジ順で行われました。
最遠の参加者は東の匠ことKenbeさんでした。

今回の発表全体の傾向として、
実験的な機体というより、
実験そのものを実施する趣向が多く、
個々の機体の音に言及するのははばかれます。

技術発表として今オフ会を振り返ると、
明らかな傾向が見られました。

まず、石田式BHBSです。
高橋さん、加藤さんの機体がこれで、
Kenbeさん本人ご持参の2機と
秋葉さんのやや変形バージョンも加えると
合計5機登場でした。

いくつか聴いてきた中で、
石田式BHBSの特長は、
ワイドレンジと低音のダンピングを両立させやすい方式と言えそうです。
バックロード部さえしっかり設計されていれば、ダクトの調整で狙い通りの低音を得られます。
逆に言うとネックはこのバックロード部の設計です。
数式化を強く望みます。

興味深いのが、加藤さんとKenbeさんの
OMーMF4-MICAを使った機体です。
同じ石田式BHBSで外形サイズもほぼ同じですが、
内部設計と板材に大きな違いがありました。

Kenbe 機では10ccノットインラブでのスネアドラム再生で時々ハッとするような音場感が出てましたので、
厳密に測定すれば、多分Kenbe機の方がレンジは伸びているのではないかという気はしてます。

対して、加藤機の低音はギリギリまで高い音圧レベルを保っており、
視聴レベルでのキレのいい低音フィーリングにチューニングされ、
パッと聴いたイメージでは加藤機の方がワイドレンジです。
バスレフ方式の良い面が出ています。

Kenbe機は中高域の分解能とトランジェントに分があり、加藤機は視聴レンジと低音の質に勝るように聞こえました。
わずかな差ですが、
総じて加藤機の方が余力があるように感じました。

正直にKenbeさんにお話したところ、
内容積の差ではないかとのことでした。
加藤機の隔壁はボイド管、
Kenbe機は外装と同じ板厚のあるアカシア集成材。
板厚による内部容積は差がかなりあります。
となると、OMーMF4-MICAでA4サイズはやや苦しい容量なのかもしれません。

音場型も考えさせる内容がありました。
小高さんは4ch再生の実演、
おおさわさんはヒドラ型の音場型スピーカー。
私、ケイは後面開放です。
秋葉さんの機体はいろいろあって擬似音場型になってました。
音場型、計4名。

音場型で問題になるのは、
音場の広がりとレンジと定位を高次元にまとめることが難しい点があります。
おおさわさんは発表時に
松さんの「ASURA(アシュラ)」の高みについて触れていました。
「ASURA」の評価については同感です。
その凄さは言葉に尽くせない程の衝撃で、
実試聴でこれを超えるスピーカーは未だに出会っておりません。
(「ASURA」については拙ブログ2011年9月11日に記載があります)

ダンプドバスレフも5機。
穐山さんと鈴木会長はストロー状のものをバスレフダクトに充填してます。そしてスリットで秋葉さん、高橋さん、おおさわさん。

気になる技術、全てに登場した秋葉さんが三冠というオフ会でしたが、
本当のテーマはSDGsだったような気もします。

運営の鈴木会長、加藤さんをはじめ、皆様に感謝です。
ありがとうございました。

悟ってきた

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「ダイソー1800」のセッティングをいろいろ変えて、測定を繰り返していました。

こんなスピーカーでも音楽は聴けるし楽しめることに今更ながら気付きました。
特にコイツは背面開放なので
試聴位置によって極端な違いが出ません。

いや、出るんですが、
元々良くないので問題にはならない。

音の雰囲気が、
昔の大きなラジカセみたいです。

ラジカセに要求する音質って、
明瞭なボーカル、
分解能の良いメロディーライン。
そして、頑張れば聴こえるベースラインかな。
AMが聴きやすいってのもあるかなぁ。

まんまコレじゃん。
ちょっと躯体がでかいけど。
もう、メインスピーカー、
コレでいいかも。



これでいいのか?

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ダイソー1800、
音出しの続きです。

後面開放型の宿命なのか、
F特がすごく暴れます。
元々のユニットがダイソーだから
と言うよりは、エンクロージャーのせいっぽい。

具体的にはピークとギャップが激しい。
ピークの隣にギャップがあるってことは、
干渉の可能性が高いよね。

この機体、置き方によって音がかなり変わります。
床置きと机上では、同じスピーカーか?
ってぐらい違います。

床置きの方が好みですが、
これのF特も実は酷くて、
中域のちょっと下が盛り上がっただけでした。

音響レンズの有無、
正面軸上以外のF特も様々測定しました。

一つだけツボにハマった置き方がありました。

机上設置で45°方向の特性です。(画像)
つまり、スピーカーを斜め外に向けて置くだけです。
7kHzにピークがあるものの、
それ以外の大きなピーク、ギャップはありません。
見事なカマボコです。

視聴では、
試聴環境が極端なライブなので、
反射音のクセが強い印象があるものの、
特に良くも悪くも無くといった感想です。

一応、音響レンズは効果があるみたいで、
45°方向の高域は一応確保されています。

しかし、コレで終わりでいいんでしょうか?
音的には、単にレンジの狭い少しクセのある音。
ってだけで、面白くとも何ともありません。

強いていいところを上げれば、
音場感はよく、
帯域によるバラツキも少なく、定位もキレイに後ろに並びます。
でも並ぶけれど音像は大きい。

うーん、
また、前回みたいに、
「つまんない」って言われそうな予感がします。

つづく…かな?

F特とったら酷かった

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音響レンズを作りました。
セットしてほぼ完成です。

このダイソーユニットはなかなか侮れない音を出します。
意外にいいんじゃあるまいか。
色気を出してF特を取ってみました。


ひどいな。
〈画像参照〉

軸上では1kHzに鋭いピークがあり、
そして2k〜3kHzに大きな谷。
この谷は幅もあり、パッシブな回路で取り除くのは難しそうです。
反面1kHzピークはノッチ回路で何とかいけそうに思えます。

低域と呼べる帯域ではないのですが、
200Hzから下はキレイに減衰。
減衰っぷりが潔くて美しい。

高域は何と5kHzから減衰!
かなりハイ上がりに聴こえていたのに、
何とも耳は当てになりません。
4kHz付近のピークを聴いていたのでしょう。

振動板形状から
1kHz〜2kHzにピークが出るだろうとは
以前予測してましたが、
この1kHzピークがユニット由来なのかは分かりません。

条件を変えて測定すると、
このピークが消失する設置条件がありました。
ユニット間の干渉の可能性が高そうです。

つづく

挫折しそう

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音響レンズ作戦の続きです。

斜板式で実際にパーツも一部作成してみたのですが、
組み立て精度に自信が持てず、
このまま進めていいのか迷っています。

まあ、3Dプリンタを使うわけなのですが、
板が11枚として、それを固定するブラケットも必要になります。
そして板の間隙を固定する部材。
いろいろ合わせて片chで14パーツぐらいになってしまいます。
重量もすごいことになりそうです。

わざわざ好んでメンドーなことをしてますが、
そこまで好事家ではありません。

パーツの少なさでは
いわゆる「蜂の巣」方式はどうだろう。
穴の空いた板を重ねるだけなので、
斜板式よりは簡単に思えます。

遠回りする経路と最短距離との境界線が双曲線であればいいんだよな。
しかも、全周方向に散らす必要はない。

「蜂の巣」でのパンチングメタルはドーナツ形状でしたが、
ドーナツの上下の一部は要らないことになります。
要はエッジが双曲線に沿うパンチングの壁が有ればいいことになります。

ひょっとして穴じゃなくてスリットでいいんじゃね?
幅の狭い板をたくさん立てれば同じ効果になるかな?

音響レンズを考える

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ヒマなので、音響レンズでも作ってみるか。
近くて聴くとサ行がキツいんだよね。
上手くいったら直列抵抗が外せるかも。

そもそも論で、
マランツツイーターの指向性が強いのかと言われると、
そんなことはないように聞こえます。
じゃあ何で?
面白そうだから。

どういう根拠で設計すればいいんだろ?
音響レンズで有名なのはJBLです。
板の枚数を数えるとだいたい11枚。
それに倣って自作している方も11枚が多いです。
サンヨーは6枚だけど、これは無視しよう。

何も考えずに11枚で作ればいいかな。
いやいや、ちょっと待て、
音波なんだから板と板の隙間の方が大事だろ。

狙った周波数に応じた隙間幅でないと効果はないでしょう。たぶん。

回析で考えればいいかな。
5kHzの音波長は6.8cm
波長半分で回析の影響があると考えると
3.4cm以下の幅ならOKってことか?
1/4波長でも1.7cm。

マランツツイーター振動板幅が3cmもないのに
1.7cm幅はデカすぎです。
3.4cmは論外かと。

マランツツイーターはフレーム込みのユニット径が5cmぐらいだから
5mm間隔で10枚か9枚になるな。
ああ、JBLの設計思想が知りたいなあ。
それとも板一枚の長さの方が大事なのか?

JBLじゃないけど、
ダイアトーンの技術書に、
板のV字の切れ込みは双曲線だという記述がありました。
フムフム。
ホントか?
JBLのあの切れ込みって双曲線なのか?
でも、隙間については書いてありません。

音波ってトロい方に進んでいく性質があるそうで、
二手に分かれた音波の経路を変えて再合流するのが原理らしい。

じゃあ、こんな形の必然性はないわな。
周囲ほど経路を長くすればいいってことだよね。
しかも、上下ではなく、左右に散らせばいい。

斜板、波板、パンチング…
何を考えてもJBLの枠から出られません。

「面白くねーな」
これなら反射コーンを置いた方が良さそうにも思えます。

そういえば、
スピーカーメーカーって反射を嫌がるよね。
何でだろ。

古典的な反射を使った例では、
WHARFEDALE W80A
JBL パラゴン
あとは80年代のBOSEかな。

と思っていたら、
古い山水のカタログデータを発見。
斜板式では
大小あり、それぞれモデル名2391と2395。板数は11枚と10枚。
厚さは156と305mm。

よって間隔は16mmと34mm。
間隔を一定にしていると思っていましたが、
ダブルスコアで違いましたー。
組み合わせるホーンのカットオフと関係があるんだろうな。

モデル名2391と2395のカットオフが分かる資料はないかな?

でも思ったよりJBLがテキトーに感じます。


余った側板

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ダイソー1800,もうやることないなあ。

で、実際の音はというと、
音場重視の置き方だと低音が弱い。
低音重視の置き方だと音場が弱い。

機体の裏側が開放されていますが、
片側だけには側板があります。
それがないと立たないからという消極的な理由からです。

実は側板は両方取り付ける材料はあります。
しかも既にサイズまで同じものが切り出してあります。
じゃあ、何で付けないのかと言えば、
立てばいいだけだったから。

ヒマに任せて、
その余った側板を付ける位置で音がどう変わるかを試してました。

側板の位置を端からバッフル中央まで少しずつ移動させて試聴しました。
結論から言うと、
バッフル中央よりに取り付けるほど、
床置き壁密着に近い音に変わります。
ユニット背面からの放射が限定されて、
低音が出る代わりに中音がもたついて、
なおかつ音場感が薄れます。

どの位置であれ、
帯域バランスは良くなるものの、
決め手に欠けます。
これがエスカレートすると
フツーのエンクロージャーに到達してしまいそうです。

そう言えば、
フロントはユニット正面に板を置いて、
バンドパスフィルターとか、
自分でぬかしていたな。

後ろもやったらどうかな。

側板を外して、
立てかけるようにユニット裏を塞ぎます。
側面は空いています。

音出しです。
「あまり変わらないな」
側板追加前と変わらない印象です。
ユニットとの密着度が足りないのかもしれません。

フロントは板の隙間とユニット振動板面積が同じになるように、
間隙を6mmにしています。

裏はユニットそのものがあるので、
マグネットにくっつけるように板を置いても30mmまでしか間を詰められません。

ギリギリまで距離を縮めて養生テープで固定しました。

音出しです。
中高音が抑制されるせいか、
ボーカルから下がふっくらしたような印象です。
スピーカーとしてすごくフツーぽいかも。

正面音圧は試聴で分かるぐらい落ちてます。
やはり後面開放は音圧が高い。
入力レベルを上げると、その分低音風味が増します。
いいんでないかい。

こっから先は勢いです。
ちゃんと検証もせずに
ユニット裏に接着剤を塗って、
板を貼り付け!

背面は片側に側板や端子固定板等があり、
すごく複雑な経路で音が開放されるようにやりました。
しかも、板は上が広いテーパー形状。
何か、カッコいいぞ。
まるで最初からこう設計したみたい。
オフ会ではそう強弁しよう。

でももうユニットは外せない。
上下反転も不可能。
何やらイケナイ一線を超えたような気もします。
ま、ダイソーだからいっか。

曲選び

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左chの中域が何やら荒れているます。
目視でユニットの動きを見ても何が原因かは分からないな。
背面から耳を当てて確認します。
上のユニットかな。

アレをやってみよう。
ユニットの上下反転。

治った。
ユニットの向きが原因とは思えませんが、
上下反転したら治りました。

まあ、フレームが原因じゃないかな。
金属製フレームなのですが、
やけに柔らかい鉄なのです。
取り付けネジを締めすぎて、
ボビンが擦っていたのかも。

今も、いろいろ置き方を変えて音がどうなるか試しています。

低音の出と音場感が排他的になってます。
机上だと中低音がスカスカしているし、
床に置いて壁際に置くと低音は出るけど、
音場感の劣化とボーカルの混濁がある。

床に置いて壁から30cmぐらい離すのが、
バランスいいかな。
低音は出ないけど。
でも、これで低音が出ればかなり満足度は高くなります。

まさかの3Way化か!

いやいや、待て待て。
ダイソースピーカーで3Wayなんて
刺身コンニャクで握り寿司をするようなものだ。

でもなあ、ケルトン型ウーハーを追加したら
不足分はドンピシャで補完できて
コイルも要らないんだけどな。

そんなことを考えながら、
オフ会で流す曲を選択中です。
低音が出ないのがバレない選曲にしないと。
ヴァイオリンとかギターのソロみたいな…

ワルツフォーデビィの食器カチャカチャ音は
妙にリアルで良かったですが、
それ以外で良かったのが「大井川鉄道」のSL。
セッティングさえ決まれば、
スピーカー後方に広い音場ができるので、
遠くから近づいて来る感じがよろしい。
うるさい音源なので、
低音不足が分かり辛いだろう(たぶん)



抵抗かます

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マランツQK002514AR
このツイーターをどうしよう。
ダイソー300円ユニットと比較して
明らかに能率が高いようです。

スピーカーの置き方で中低音の厚みが全く違うので、
どのセッティングに合わせるか、
という問題に直面してます。

机上設置して鳴らすとスカスカした印象の音なので、
この場合はアッテネーター必須。
床上壁際に設置を変更して、
ある程度離れて聴くと、
このままでいいバランスです。
同じように床上壁際でもニアフィールドだと
高音がキツい。

とりあえず、
手持ちの抵抗で固定アッテネーターをかまそうと計算しますが、
どうもピッタリくる抵抗値を持っていません。
そりゃそうだ。
7Ωのツイーターなんて初めて使います。

ちょっと話がそれますが、
コンデンサーも含めて
素子の接続はワニ口クリップで行っています。
挟む場所さえ変えれば、
抵抗あり、なしが簡単に変えられます。

2.8Ωの抵抗を直列に入れてみました。
ちゃんとしたアッテネーターなら、
もう一つパラレル接続しないといけませんが、
面倒なので、まずはこの状態でお試しです。

音出しです。
劇的に変わるものでもないけど、
バランスはこちらの方がいい。
面白味もないけど。
机上からのニアフィールドでは、まだ高音がキツいかな。

抵抗と合わせて10Ωのインピーダンスということは
4.0μFで4,000Hzのクロスオーバー。
ちょっと低すぎる気もします。
大入力時に壊れないかな?
あ、そもそも大入力しないか。

ま、いっか。


ダイソー1800初音出し

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できた。
あっという間にできた。

テスターで接続を確認しました。
何とシリパラ間違え。
二つのユニットでサーキットを作っていました。
これは自分でも驚いた。
「認めたくないものだな…」

修正して音出しです。

あ、ちゃんと鳴る。
意外に鳴る。

かなりハイ上がりです。
オーディオレベルの低音はダメだな。
ベースラインは聴こえるけど、倍音っぽい。
F特をとる気にもなりません。

ユニットサイズは実測で40mm。
当然軽い音です。
電話機みたいな雰囲気もあり、
中域にピークがありそうです。

ボーカルは明瞭ですが、
やっぱりクセが感じられます。
ダイソーユニットはパラボリック型の振動板なので、
2〜5kHz付近にピークが来ているのかもしれません。
クセはあるけど混濁はなく、
ボーカルに限ればこれはこれで悪くない。

ツイーターには4.0μFをかませたけど、
もう少し小さい値の方が良さそうです。

ツイーターの有無で比較すると、
中域の明瞭さに歴然とした差があり、
やはりあった方がいいです。

音場感はツイーターなしの方が、
音離れがよく、
後方に広く音場ができて好みです。
ツイーターありだとフツーな音場です。

一般的にはツイーターを付けた方が音場感が良くなるものだと思っていましたが、
やってみないと分からないものです。
やはりクロスが低いかな。

ワルツフォーデビィの食器カチャカチャ音は妙にリアルで良いのですが、
高域楽器の分離は今一つです。

後面開放なので、
置き方での違いも試しました。

予想通りですが、
床置きでは中低音が厚くなって
バランスよく聴こえます。

側板が片方だけの関係で、
左右の振り幅角度を変えると
後方空間に差が出るせいか、
音もかなりの違いが出ます。

問題は
大音量が出ないくせに、
ニアフィールドだとツイーターがキツいところです。

でも中野ゼロだと、
このぐらいツイーターが強力な方がいいのかもしれません。
いや、音量が出ないのだからそうとも言えないか?
それ以前にマジメに聴いてくださいと言える機体ではないような…

ツイーターの扱いが本当に悩ましい。
視聴ではクロスを上げてアッテネーターを入れればいいように思いますが、
こんなのにお金をかけていいのだろうか?
人としての道を踏み外していないだろうか?

ううむ、どうしよう。



こんな形

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設計に取りかかりましょう。
今回、両chでのユニット数は
ダイソー300円ユニット×8個
マランツQK002514AR ×2個
シリパラ接続でもしてみるか。

よし、
4つのユニット全てに独立したホーンを取り付けて…

紙に描いているだけなのに速攻挫折。
複雑すぎてムリ。

どうやって低音を稼ぎなら能率を上げられるかが、設計のポイント。
能率ならやっぱりホーンかなと堂々巡り。

結局、
4つのユニットは何の芸もなく、
縦一列に並べました。
中央2ユニットをウーハーに見立てて、
低音専用。
両端は中高音用。
そして背面開放にすることで、
中域の音圧を稼ぐという設計になりました。
正面にはツイーターを付けます。

ダイソーユニットには電気操作は行わず、
バンドパスフィルターとして、
ユニット正面に板を置きます。
その周囲を開放することで擬似的なホーンとして作動させたい。

正面板はアールを描いて両端のユニット正面にも被っていて、
音を上下左右に拡散しています。
そして不足する高域をマランツツイーターで補います。

後面開放で低音に悪影響がありますが、
正面の板で反射するので、
うまく位相が変わってくれないかな、
という淡い期待も持っております。

帯域バランスは、
やってみないと想像もつきません。
だいたい、ユニットの能率さえ分かりませんから。
ツイーターにアッテネーターが必要かも聴いてみないと。

まあ、エラそうに書いてますが、
前作「バスレフバックロード」の余り材だけで作ろうとすると、
箱にならなかったというのが
本当だったりします。


ユニット取り付けに悩む

2022100607215011d.jpeg



ホームセンターでドライバーを買って、
ダイソー300円スピーカー全てをバラしました。

ダイソーのブルートゥーススピーカーと
比べて格段に作りがていねいに思います。

アンプ基盤もしっかりネジ止めされており、
ハンダもきれいです。

ユニットには驚くほど大きなマグネットが使われています。
フレームは予想に反して金属フレーム。
こんなに小さなユニットなのに固定穴が4つもあり、
全てにネジを使ってプラボディに固定されていました。

この作りで300円。
恐るべしダイソー!

外したユニットのバッフル固定方法が悩ましい。
金属フレームなのはいいのですが、
フレーム幅にも余裕がなく、
取り付け穴が1mmでも大きいと隙間ができてしまいます。
私の工作技術ではフロント固定は難しそうです。

結局、気密部材を挟んで後ろ付けで設計を開始することにしました。
気密部材でユニットとバッフル背面に空間ができるので、
大入力時のエッジとバッフル板との接触も避けることができます。

少しでも能率を稼ぎたいので、
12mmのバッフル厚で
ショートホーン効果も出るといいな。




メインユニットはこれだ!

20221005131253a86.jpeg




今回、マランツのツイーターと組み合わせるのは、
ダイソー300円スピーカー。

正式名がイマイチはっきりしませんが、
「USBミニスピーカー」
って箱に書いてあります。

2年ぐらい前でしょうか、
このスピーカーがダイソーで発売された頃に
4セット買っていたのが、
やっと出番です。
今も入手可能なんでしょうか?

いろいろなスピーカーピルダーが
コレにチャレンジしているだけあって、
なかなか侮れない性能を持っています。

箱書きには、
出力 3W×2
インピーダンス 6Ω
周波数特性 35Hz〜20KHz

3Wの入力に耐えられるって意味なのでしょうか?
それより周波数特性ですよ。
何と35Hzから再生可能。
マジか。

箱から取り出して、
早速パソコンにつないで音出しです。
けっこういい。
値段を考えると全く不満はありません。

心を鬼にして分解開始。
しようとしたら、
いきなり挫折。

ネジ穴にドライバーが入らない。
入るドライバーは届かない。
なんじゃコリャ。

スタートはドライバー購入からです。


新作

20221004151608209.jpeg




9/24(土)にスピ再技研のオフ会をやって、
余韻も冷めやらぬうちに、
次が11/5(土)に迫っています。

もう1か月後です。

先日、Wさんにツイーターをいただきました。
見た目,ヘンテコに見えますが、
マランツの銘が入っています。
コレを使おう。

忘れ去られた過去作品にツイーターつけて、
「〇〇改」
としようかとも思ったのですが、
まだ眠っていたユニットを見つけてしまい、
仕方なく新作です。
しかも2way。
1か月でできるのか、新作…

実はもうほとんどできてしまいました。

前作の余った材料をくっつけただけで、
安易極まりないくせに、
すでに名前まで決まっています。

「ダイソー1800」

後ろに「GT」とかつけたくなるような名前です。
つけないけど。

スピ再技研オフ会9発目

2022100306583596d.jpeg


ラスト9発目は向井さん。
トールボーイで大きい。
黒の塗装は砥の粉で下処理をされたマットなものです。

上部にはきらめくユニットのツイーターが4面に計8個あり、
下部には黒いユニットがフルレンジで、これまた4面計4個。
大作です。
バスレフダクトが中程と下部にありますが、これは4面にはありません。

ツイーターは長岡作品の「R-20キャンセル」を参考に、
逆相面が交互に並ぶ音場型。
下部のフルレンジはM-CAP型の多自由度バスレフで正相接続です。
電気回路に詳しい向井さんらしいハイブリッドな機体です。

音出しです。
思ったよりハイ上がりに聴こえますが、
試聴位置が近いせいかもしれません。
M-CAPにしてはやや低音がもの足りない印象があります。

多ユニット使いだけあって、きつい中域もなく、大音量でも大丈夫です。
音場は意外なことに手前側に定位が並びますが、
45°回転させると、後ろにサッと並びました。
個人的には45°振ったのがいい感じでした。

聴いた感じで、吸音材レスかと思ったら、
ちゃんと入っているそうです。
木拍子は後ろに定位し、リアルでした。

ここで衝撃のソース登場。
ワルツ・フォーデビィの○○○○音源だとっ!
そんなのが存在するのか!
会場にざわめきが出ます。
確かに1961年の録音年を考えればあり得る話です。
妙に生々しい感じに聞こえて通常版とは違う趣です。
ただ、ワウフラッターがちょっと気になりました。

次回はこれをさらに改良してくるのか、
さらに変態的な新作なのか楽しみです。

(今レポートは私ケイの主観に基づいたもので、単なる忘備録です。間違い等ご指摘いただけると助かります。また、特定の個人や団体を非難するものではありませんが、ご不快になる方がいましたら、削除いたします。)

スピ再技研オフ会8発目

20221002122202cc5.jpeg


8発目はおおさわさん、
テレスコシリーズ「対称スリットバスレフ テレスコ3号機改変型」
通称「テレスコ3改」

バッフルは15㎜厚赤松集成材のボックス形状です。
3wayスリットバスレフ型になります。

ユニットはフロントAKDK電子の8cm F77G98-6を4発。
リアは10cmウーハー。
そして謎のコーン型ツイーターがぶら下がっています。
入れ子構造の二つの箱をスライドさせて容量を可変できます。

実は可変がミソではなく、
スライドさせた時にできる隙間でバスレフ動作をさせるところがキモです。
今回のスリット幅は5mmだそうです。

近くで聴いても、これだけ狭いスリットなのに吸気音は聞こえません。
末端が急に開放されていないからでしょうか。
ここまで狭くできることに驚きます。

ライブの音場感も良く、
音の立ち上がりにパンチがあります。

全体としてはやはりマルチっぽいつややかさがあり、
非常に聴きやすいと感じました。

「下品な低音」との評価もあるようですが、
なかなかどうして、
ウッドベースは低音のブルブル感もよく出ており、
歪みのない低音は量感と歯切れを両立しています。
おおさわさんの作品はいつも低音音階の分離に優れているように感じます。

この効果が、スリットバスレフによるものなのかどうか、
同設計のバスレフで誰か検証してほしいものです。

私の中では今オフ会でNo.1でした。

追記: 低音が下品という表現は、最高に低音が再生できているという最高の賛辞である(消息筋情報)

(今レポートは私ケイの主観に基づいたもので、単なる忘備録です。間違い等ご指摘いただけると助かります。また、特定の個人や団体を非難するものではありませんが、ご不快になる方がいましたら、削除いたします。)
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